少し不器用な彼【東海オンエア】短編集 (ページ16)

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融点 ( マホト ) ページ16

家事を終えてお風呂に入って

彼のお仕事がひと段落するまで

ベッドに座って待って彼を待つ

これが私の日常だった

マ「おまたせ」

「ん、おつかれさま」

マ「ふぁあ、目チカチカする」

「寝よっか」

マ「その前にちょっとA補給する」

と言ってふんわり私を包み込み

肩に顔を埋めてくる

彼の匂いが近くて

心臓がいつもより動いているのがわかる

この心地のいいドキドキを与えてくれる

彼のことがすごく好きだ

そんなことを考えていると

私は無意識に彼の頭に手を乗せていた

マ「ん～？」

いざ気付かれると恥ずかしくなって

離すか迷ったけれど

なんとなく

離したらダメな気がして

そのままクシャクシャとなでることなした

「今日もお疲れ様」

マ「ありがと」

一度離れてニコッと笑顔を見せてくれる彼

マ「そろそろ寝る？」

「んー！！もうちょい！」

と言って次は自ら彼に抱きつく

マ「どうしたの」

「何もないよ、こうしてたいの」

マ「ずるい」

「何が？」

マ「なんでAは余裕あるの

俺だけドキドキしてるとか恥ずすぎ」

文末にいくに連れてだんだんと声が小さく

なりながらボソボソと呟かれる

そんなこと全くないのに。

それをわかって欲しくて

自分の胸に彼の顔をあてる

マ「ちょ...」

「聞こえる？私だってずっとドキドキしてる」

マ「本当だ、よかった

でもこの体勢はちょっと」

「あ、ごめん」

体が熱を帯びるのがわかる

溶けてしまいそうだ

マ「我慢できないかも」

「しなくていいよ、我慢」

マ「じゃ、遠慮なく」

甘い夜を過ごしましたとさ

fin