パパイヤ！？ Ryosuke.Y (ページ21)

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「でもさ、うちのあいりと3つしか変わらないよね。」

あいりちゃんか。久しぶりだな。

知念の子ども。俺と一緒の大事な大事な一人娘。

歳はあやよりも上なんだけどね。

こくんと頷いた俺を見て、知念が続ける。

「だったら当たり前じゃん。
あいり、3年前には結婚してたからね？」

あー確かに。

招待されてあやと2人で行った披露宴は3年以上前の事か。

時が過ぎるのってはえーな。

こういう所で自分の衰えを感じるんだ。

うん、結構ショック。

ママもあいりちゃんも、今のあやの年齢の頃にはもう結婚してるんだ。

「知念はさ？あいりちゃんのことお嫁に行かせるの嫌じゃなかったの？」

何杯目か分からないビールを喉に通しなが聞く。

はぁー、と深い息を1度ついてから。

「嫌に決まってるよ。」

ほら、ほら、やっぱりな？

嫌だっただろ？！

知念のその時の気持ちと同じだって喜んで目を輝かせた俺を見て見ぬふりをする知念。

うう、なんでそんなに冷たいんだよ、、

「涼介、薮さんって覚えてる？」

急にそんなことを言い出すから、うるうるしてもう少しで出そうだった涙すら引っ込む。

「覚えてるよ、あのスラッとしたかっこいい、、」

ふにゃふにゃな笑顔で、賢くて、なんでも出来るの。

「あの人、まだ結婚してないらしいよ。

僕達よりも少し上だから、バツがついてるならまだ分かるけど未婚なんだよ？」

びっくりして思わず持っていた枝豆を握りしめてしまって、緑の可愛らしい豆がぴょーーんって。

「なななんで？！あれだけいい人なのに？！
なにか他に問題でもあるのかな、、」

真剣に考えようとしたその時。

「それだよ。それが原因。
いい人なのに、まだ1度も結婚していないから逆に不思議がられて結婚出来ないらしい、、。
本人よりも両親が焦っちゃって、もう今はお見合いまみれらしいよ。」

おっ、ナイス！

そんな知念の声が聞こえるけど、俺はちょうどテーブルのお皿の上に無事着陸した枝豆の豆ちゃんを呆然と見ていた。

大学時代、サッカーサークルの中で1番最初に結婚するだろうと予想されていたあのモテ男薮さんが未だにゴールインしてないなんて、、、。

俺の話じゃないのに、なぜだか虚しくなった。