パパイヤ！？ Ryosuke.Y (ページ29)

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お祝いページ29

俺は今、スーツを身にまとっている。

会社で着ているものでは無くて、ちょっとだけお高めのやつ。

隣には真っ白なドレスを着た、ママにそっくりな娘のあやがたっている。

そう、結婚式ってやつ。

前の扉はまだ閉まってて、でももうあと数分もすれば扉はスタッフさん達の手によって開けられる。

意外と緊張するな、、

俺がメインじゃないってのはよく分かってるけど、ママと歩いた時の記憶が蘇ってくる。

そこの道を、こうしてあやと歩けるなんて。

夢みたいだ。

「もう少しで開けますね。」

そうスタッフの方に声をかけられて、緊張を隠せてないであろうぎこちない笑みを俺は浮かべた。

「今日は好きなだけ泣いていいよ。

その代わり、いつかは孫を抱かせてあげるから明日からはそれを楽しみに待っててね。」

あやから笑顔でそんなこと言われたらさ。

俺のイケメンな顔はもう台無し。

ぐちゃぐちゃの顔になってボロボロ涙を流した。

スタッフさんにハンカチを渡されて慌てて拭いたけど泣いたってバレるだろうな、、

「それでは楽しんできてください！」

その言葉と同時に扉が開かれた。

扉の向こうには、あやと俺の親戚や友達が沢山いて、皆が嬉しそうに笑っていた。

そのさらに向こうには、今まで見てきた中で1番と言ってもいい程、かっこいい裕翔がこちらを見ていた。

一歩一歩。

ゆっくりと歩く。

歩く度に、赤ちゃんの頃のあや、小学生のあや、泣いてるあや、笑ってるあや、怒っているあや。

走馬灯のように思い浮かぶ。

そこで俺はバトンタッチ。

「あやをよろしくな。」

そう裕翔だけに聞こえるように小さく。

ニッコリ笑って、あやの手を離した。

代わりにあやの手をとった裕翔が

「もちろんですよ、お義父さん。」

その言葉がとても力強くて、ポロッとまた1粒。

あやと裕翔は永遠の愛を誓った。