ねぇ、だいすきだよ。Daiki.A

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いつの間に？









さっきまで、私たちがいるここからはもう少しだけ奥にポツンとあるベンチにいたというのに。









キスをしていたはずの女の子までもう居なくなってしまっている。









大貴「なんであやがここにいるの。
なんで、こいつと一緒にいるんだよ。」









みるみる内に顔が青ざめていく男の人。







多分私も同じように青くなっていると思う。









大貴「なんか答えろよ。」









そう言いながら私に近づこうとしたとき、



大貴くんの腕が緩まったのかな？






ずっと捕まっていたはずの男の人が一目散に逃げ出した。









「へたっぴちゃんごめんね〜、何かあったら連絡して！ポケット！！！」









適当に謝って女の子の方へ行ってしまった。







ポケットって叫んでいたから何だろうと思って確認してみると、チラッと番号が書かれた紙が見えた。









いつの間に？









大貴くんもあの男の人もスリになれるんじゃないかな。







いや、そんなこと思ってる場合じゃない。








私だけになっちゃった、どうしよう。









大貴「あいつ、逃げやがった。
まぁ、それよりもなんでここにあやがいるの。」









あや「なんで色んな女の子とキスするの？」









なんて答えればいいか分からなくて、



何を言ってもどうやって言い訳しても、



絶対怒るに決まってる。









だから私は大貴くんが反応に困る質問をした。









大貴くんはやっぱり見られてたか、という顔をする。







あや「キスって好きな人とするものじゃないの？」









大貴「うん、あやはそう思うよな。それが普通だよ。」






真っ直ぐ私を見つめて言う。









大貴「でも、俺たちはもう汚れてしまったんだ。
好きな人じゃなくてもキスが出来るし、お互いの欲求を満たすためだけにそういうこともする。ここにいる奴らに愛なんて無いんだよ。」









最後の方は諦めたような呆れたような顔だった。

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