#37 借り物 ページ38
自分の順番が来るまで、ずーっとほかのお友達と喋ってるとしみつくん。
友達たくさんいるんだなあってちょっぴり羨ましく思った。
またてつやくんと同じ競技にでてるって気づいたのは、としみつくんが誰かを指さして大爆笑しててその指の先を見たから。
私、びっくりするくらいとしみつくんのことしか見えてない?
「あっ!としみつくん紙引いたよ!」
私も見てるのに華ちゃんが隣でとしみつくん実況をしてくれる。
その声に横を見るとはるとさんが居なくなってて、次の競技に出るから出ていったんだと。
また視線をとしみつくんのほうに移すと、ほかの人が走り出す中としみつくんは引いた場所で紙を見つめたまま立ち止まっている。
「何引いたんだろうー...」
そんなに難しいのはないと思うんだけど。
としみつくんは、右手で髪をぐしゃっと掴んで悩んでるみたい。
「えっ?A!!こっち来るんじゃない?!」
華ちゃんが私の膝をばしばし叩いて何故か私より興奮してる様子。
確かにとしみつくんはこっちに向かってズカズカと歩いてきてる。
「なるみん」
「なっ、なんですか?!」
「これが何かわからんから来た」
としみつくんは「お前なら分かるっしょ?」って顔をしながら、紙を広げてこちらに見せてくる。
ちらっと視界に入った華ちゃんはやっぱりニヤニヤしてる。
「シュシュ?」
「シュシュって何?これ俺永遠に帰れないんだけど」
「えっと...これだよ?」
自分の頭を指さすと、としみつくんもちらっと頭の方を見る。
「ポニーテール?」って真顔で言ってるけど、ポニーテールのことを言いたくて指さしてるなら、としみつくんが聞いてる答えと違うよね?
「ううん、これ!」
自分がつけていたシュシュを外してとしみつくんに渡す。
「シュシュ貸してあげる。早く行った方がいいよ」
「これ?!このなるみんがいつも付けてたクシャクシャしたゴムシュシュって言うん?!」
「そうだよ!早く!みんな待ってるよ?」
「なるみんに似合ってるなぁっていつも思ってたんだよね!」
シュシュに似合ってるとか似合ってないとかあるの?
こんな無駄話してていいのか、としみつくんは全然焦っている様子がない。
「じゃあこれ借りてくね!」
やっと満足したのか、としみつくんはスタスタとゴールの方に向かっていった。
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____haru(プロフ) - ましろちゃん!待ってたよ!!!久しぶりの更新とっても嬉しい!元気そうでよかったです! (2018年12月7日 18時) (レス) id: 4f81121750 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro.(プロフ) - kyaspaさん» 新作の書き溜めが落ち着きましたら、こちらも同時に更新進めさせていただきます。しっかり案内しておらず申し訳なかったです。もう少しお待ちいただけたら嬉しいです。 (2018年10月24日 16時) (レス) id: 09eef81ca3 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro.(プロフ) - kyaspaさん» kyaspa様、コメントありがとうございます。そう言っていただけてとっても嬉しいです。今久々に自分で最初から全て読み返しました(;_;) 自分自身このお話に納得できなくて、更新停止していましたが、ひとりでも待っている方がいらっしゃる限り絶対書き終えます。 (2018年10月24日 16時) (レス) id: 09eef81ca3 (このIDを非表示/違反報告)
kyaspa(プロフ) - このお話がすごく好きです!続きが気になってうずうずしています笑笑いつか更新される日を心待ちにして待ってます笑 (2018年10月23日 23時) (レス) id: 0fd2e1c39a (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro.(プロフ) - 月兎=光華さん» 月兎=光華さん、たくさんコメントありがとうございます!文才なんてとんでもない..!!ただの妄想話にありがとうございます(^^) 急展開に急展開を重ねていきます!ぜひよろしくお願いします♪♪ (2018年8月28日 21時) (レス) id: 09eef81ca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ma | 作成日時:2018年7月17日 0時