＃35 お姫様抱っこ ページ36
その時だった。
私に駆け寄ってくるのは保健室の先生かと思ったんだけど、そうじゃなかった。
｢なるみんさすがにださくね？それは｣
｢としみつくん？！｣
駆け寄ってきたのは、今日まで一緒に体育祭を成功に導くために頑張ってきたとしみつくんだった。
さっきまで腰の痛みしかなかったのに、かなり擦りむいてるのか足まで痛くなってきた。
血が得意じゃないからあんまり見たくなくて傷口からは目をそらしてるから分かんないけど。
｢ちょっと、鈴木くんなんでここにいるの？！｣
保健の先生が到着して、｢先生が見るから応援場所に戻ってね？｣って先生に言われてる。
｢先生じゃ運べないっしょ？俺があそこまで運んでいい？｣
｢なっ、何言ってるの？｣
｢なるみん何トン？｣
｢はぁ？！｣
｢像よりは軽いっしょ？｣
｢像って...え？！｣
ひょいっと持ち上げられる体。
ふわっと宙に浮いて、としみつくんの顔が近づく。
｢軽くね？｣って笑う彼は、｢テントどこ？｣ってキョロキョロしてる。
｢ヒューヒュー！｣
｢華ちゃん！しーっ！！｣
私たちを冷やかしの目で見てるのは華ちゃんだけじゃないみたいで、チームの人たちもコソコソなにか喋ってる。
こりゃあなにか疑われてるぞ。
としみつくんのクラスの女子なんて泣いてるかもしれない。
｢あっ、ありがとう....｣
｢なるみんのことずっと見てたから｣
｢なにしてんの｣
｢好きな人のことずっと目で追うのは当然でしょ｣
傷口に消毒液を塗られて、顔をしかめると｢ふっ..｣ってとしみつくんが笑う。
先生が包帯をクルクルしてるのに、としみつくんは平気で好きな人と告白チックなことを言う。
この人絶対女の子に慣れてるじゃん。
ついでに告白にも慣れてるじゃん。
｢ちょっと担任の先生に報告してくるからここにいてね｣
そう言って、保健の先生はテントから出ていって、としみつくんと私の二人きり。
ちらっと彼を見ると、彼も横目でちらっと私を見て｢ん？何？｣って首をかしげてる。
｢次は何に出るの？｣
｢借り物きょーそー｣
｢なんか遊んでばっかりだね？｣
｢俺、なるみんのことやっぱり好き｣
グイッと首がこっちを向いたと思ったら、また同じようなことを言ってる。
でも今度は恥ずかしそうではないし顔も赤くない。
｢気持ちだけ受け取っとくね｣
｢まーた振られた｣
全然悲しそうじゃない声で、彼はそう言って、またグラウンドの方を向いた。
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____haru(プロフ) - ましろちゃん！待ってたよ！！！久しぶりの更新とっても嬉しい！元気そうでよかったです！ (2018年12月7日 18時) (
レス) id: 4f81121750 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro.(プロフ) - kyaspaさん» 新作の書き溜めが落ち着きましたら、こちらも同時に更新進めさせていただきます。しっかり案内しておらず申し訳なかったです。もう少しお待ちいただけたら嬉しいです。 (2018年10月24日 16時) (レス) id: 09eef81ca3 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro.(プロフ) - kyaspaさん» kyaspa様、コメントありがとうございます。そう言っていただけてとっても嬉しいです。今久々に自分で最初から全て読み返しました(；＿；) 自分自身このお話に納得できなくて、更新停止していましたが、ひとりでも待っている方がいらっしゃる限り絶対書き終えます。 (2018年10月24日 16時) (レス) id: 09eef81ca3 (このIDを非表示/違反報告)
kyaspa(プロフ) - このお話がすごく好きです！続きが気になってうずうずしています笑笑いつか更新される日を心待ちにして待ってます笑 (2018年10月23日 23時) (レス) id: 0fd2e1c39a (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro.(プロフ) - 月兎＝光華さん» 月兎=光華さん、たくさんコメントありがとうございます！文才なんてとんでもない..！！ただの妄想話にありがとうございます(^^) 急展開に急展開を重ねていきます！ぜひよろしくお願いします♪♪ (2018年8月28日 21時) (レス) id: 09eef81ca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ma
| 作成日時：2018年7月17日 0時
