一心同体な俺と君｢hsmz｣ (ページ4)

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EP.002 また逢いたいページ4

*死ネタです

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俺の恋人が俺の目の前でいなくなった。

俺の大好きな人が...俺を守るために、いなくなった。

俺が久し振りのデートでテンションが上がって横断歩道を渡ってたら高齢者が運転する軽自動車が信号無視して突っ込んできた。

ミズキの｢危ないっ!｣と言う声でそのことに気付いたんだけど、遅かった。

ああ、俺、死んじゃうのかな。痛いんだろうなぁ、なんて考えて、襲ってくるであろう強い衝撃のことを考えていたんだけど、そんなもの、襲ってこなかった。

振り返って見てみると、その光景が、スローモーションのように見えた。

俺が見たものは綺麗に、だけど儚げに微笑む愛しいミズキ(ひと)と、ミズキの華奢な体に迫る硬い無機物。

ミズキの唇が、動いたような気がした。

｢ミズキっ!!｣

俺は手を伸ばして、ミズキのことを引き寄せようとした。

だけど...遅かった。

ドンッ、と鈍い音のすぐ後に車の急ブレーキの音と愛しい人が地面に叩きつけられる音が訊こえた。

俺は放心状態になっていて、暫く固まっていたけど、周囲の人が｢救急車!｣や｢人が轢かれたぞ!!｣と言う声で我に返り、ミズキの元に駆け寄った。

白い肌を深紅に染めて目を閉じているミズキを腕の中に抱える。

その光景を見た人の中で｢あれ、HiHi Jetsの井上瑞稀くんじゃない?｣と言う声が訊こえた。

その後に｢抱(だ)き抱(かか)えてるの、橋本くん?｣と言う声も訊こえた。

でもそんなのに構ってる暇はない。

段々冷たくなっていくミズキの体温を上げるために強く抱き締めた。

嫌だよ、ミズキ、、なんで庇ったの...。

救急車が来る音が訊こえた。

ミズキ...助かるかな...。