愛されるより、愛したい｢ybin｣ (ページ3)

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｢コウタ、御前、黒服いじめるの辞めろよ。｣

そんな詞を言いながらもケラケラと笑う幼馴染。

いじめるなんて人聞きの悪い。

俺がしてるのはあくまでも指摘で注意だ。

｢俺らの大事なカモに逃げられたら如何すんだよ。
ランク外のホストじゃねぇんだぞ、俺らは。
カモが1人減ったらどれだけの損害が出ると思ってんだ。｣

｢んー、そうだけどさ。｣

｢それに俺は、黒服全員に注意してるわけじゃねーぞ。｣

｢知ってる、チーフでしょう?｣

｢嗚呼、彼奴が出来ないから下の人間も使えないんだよ。｣

｢全く...もう少し素直になりな? チーフに沢山注意するのはそれだけが原因じゃないくせに。
嫌われちゃうよ? 伊野ちゃんに。｣

｢何言ってんだ、ヒカル。
俺は彼奴を好んでなんかいねぇぞ。｣

｢ふーん、そう?｣

含みを持たせた笑みを浮かべ｢ま、俺はどっちでもいーけどね。｣と言って着替えに行った。

...何だ、彼奴。何が言いたかったんだ?

チーフマネージャーの伊野尾を好んでる? この俺が?

その辺にいる女じゃなく、同性の伊野尾をか?

｢ヒカル、俺が伊野尾に優しくなる事はないぞ。｣

｢ふふ、それでもいいと思うけどね。
けど、優しくしないで後悔しても遅せーぞ?｣

｢後悔なんかするわけねぇだろ。
俺が好きなのは柔らかい女なんだよ。
肩幅の広い男なんざ好きになるわけねぇ。｣

俺のこの発言を影で聞いている人がいるなんて思いもしなかった。