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杏寿郎が任務に向かった次の日のことだった。
朝から洗濯物を干していると、杏寿郎の鴉が庭に飛んでくるのが見えて手を止める。
杏寿郎からの手紙か、伝言か。
どちらだろうと首を傾げていると、鴉はそのまま地面に止まり、嘴を開く。
「煉獄杏寿郎、上弦ノ参ト戦闘ノ末死亡!!」
するりと捕まえていたはずの洗濯物が自分の腕から落ちた。
周りの音が、景色が、全て急速に色褪せていく。心臓が嫌な音を立て、ヒュッと息ができなくなった。
「杏寿郎が…死んだ…?」
風に揺れるあの美しい髪が、熱き炎を宿すあの瞳が思い浮かんで。
背中が冷たい。震えが、止まらない。
乾いたその声が、自分のものだと理解するのに時間がかかった。
心の中で何度もその言葉を繰り返す。
杏寿郎が、死んだ。
杏寿郎が死んだ。
死んだってことは、杏寿郎はもうこの世にいないってこと?
あの笑顔を、もう見れなくなったってこと?
膝の力が抜けて、思わずその場にへたり込む。
「嘘よ…そんなの嫌」
だって昨日、笑顔で私に手を振る杏寿郎を見たんだもの。
そんなことありえない。
それに、杏寿郎はずっと傍にいるって言ってくれたじゃない。
必ず帰ってくるって、そう言ったじゃない。
あれは嘘だったの?
ねぇ、杏寿郎。
なんでもいいから、私の元に帰ってきて_____
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みーた(プロフ) - 麗羽さん» 泣かないでぇ(´;ω;`) (2019年10月12日 21時) (レス) id: 8487e33076 (このIDを非表示/違反報告)
麗羽(プロフ) - 普通に泣きました……( ;∀;) (2019年10月12日 13時) (レス) id: 835b4d5769 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - みーたさん» ありがとうございます! (2019年10月12日 12時) (レス) id: 483e5f8c50 (このIDを非表示/違反報告)
みーた(プロフ) - ちぃさん» 申し訳ございませんでした!すぐにルビをふってまいりますので少々お待ちください! (2019年10月11日 22時) (レス) id: 8487e33076 (このIDを非表示/違反報告)
みーた(プロフ) - おさるさん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年10月11日 22時) (レス) id: 8487e33076 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みーた x他1人 | 作成日時:2019年9月29日 20時