訳あり人 3 ページ5
「ん……」
翌朝、レオが目を覚ますといつの間にかソファーで寝ていたようで足腰が痛い。「いたた…｣と呟きながら起き上がると鼻孔を擽るような食の香りがした。
いつもは無い日常の産物に、驚いて振り向けばキッチンにあの女子高校生…Aがフンフンと鼻歌を歌いながらみそ汁や朝食を作っていた。
『あ、起きました？』
「…」
固まるレオを他所に、気づいた彼女は笑って言う。だが、いきなり胃を食の香りでつつかれた上に寝起きのレオは頭が回らない。
そんなレオに、彼女は言う。
『……うっちゅ〜、おはようございます。月永レオさん』
「……………!!??お前、なんでそれ…」
その一言で、一気に目が覚めたレオは顔を思い切り上げて凝視する。
彼女は、お玉を回したりフライパンを揺すりながら言う。
『…テレビ、つけっぱなしになってましたよ』
「…なるほどな…」
月永レオという世界を湧く人気者となると出る番組も深夜でも多く流れる。それだけで合点が言ったレオはしくじったとばかりに顔を手で覆った。
『……ご飯、食べます？』
そう言う彼女に、色々ツッコミみたい事はあった。
＿なんでご飯作ってるんだ、お前。
＿他に何か言うことないのかよ
＿なんで風呂入るだけで綺麗な髪になんだよ
しかし、ぐ〜と昨日から何も食べてない腹はレオを催促するので。
「…食べる」
『…まいどあり』
テーブルを挟みながらご飯をかき込む。コショウがまぶしてある卵焼きは焼き目が絶妙で黄身は半熟に出来、添えられたパセリやブロックー、プチトマトも輝いて見える。
それと共にご飯を書き込めば、艶やかな粒が具材と蕩けて口の中の風味を増していく。
みそ汁も、絶妙な温かさでネギや柔らかな豆腐がするりと喉元を通っていくのを感じ、レオは打ち震えた。
「うめぇ…」
予想以上の旨さに、目を点にしながらも箸は止まらない。
『どういたしまして』
そう聞こえたが、むしゃむしゃと食べ進めるレオにはあまり届かなかった。
『………月永レオさんって、キャラ作ってたりするんです？』
ピキっと、空気が固まる音がした。
続く (更新停止中)
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か - 面白 (2020年2月6日 13時) (
レス) id: 09898d8fcd (このIDを非表示/違反報告)
人形師(プロフ) - 凄く面白いです！続きが気になります｢タバコを吸った。女子高生を拾った｣って言うタイトルの小説あるんですかとても気になります！にた名前の｢ヒゲを剃る。そして女子高生を拾う｣って言うタイトルの小説なら読んだことあるのでその小説がとても気になりました！ (2019年11月12日 12時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2019年11月10日 16時
