Eternally red moon 3

apology ページ47

軋む体に鞭を打って起き上がる。




呪力を足に集中させて地を蹴った。





呪霊から二人を離れさせる。




真人「領域展開_自閉円頓裹」




　『…恐ろしい成長速度ね』




真人「初めてだからかな。君は狙っていなかったんだけど」




領域展開。




呪力で構築した生得領域内で必殺の術式を必中必殺へと昇華する呪術の極致。




多分、魂に干渉する術式は原型の掌で触れるのが発動条件。




だけど、それが必中の領域内となると…




　『文字通り、掌の上じゃない』




真人「面白いことを言うね。それにしても殺される恐怖とかないの？」




　『そうねぇ…』




正直、死ぬのは怖くない。




私の心を埋めているのは謝罪の気持ち。




家族を、友を、仲間を置いていくことに対する謝罪。




もう、立ってるのが精一杯ね。




…いや、ギリギリ出来るかしら。




　『…遺言、とは違うけど少し話を聞いてもらえないかしら』



真人「別にいいけど」




　『…領域に対する最も有効な手段。それは領域を展開することなの。

相性とか呪力量にもよるけど、同時に領域が展開された時はより洗練された術がその場を制するのよ。まぁ、何が言いたいか一言でまとめるなら…』




真人「…まさか!?」




　『数秒ならアナタの領域を塗り替えられるのよ』




領域展開_湖上紅月




印を結べば世界が変わる。




残ってる呪力を全て使った最後の領域展開(悪あがき)。




成功してよかった。




でも、本当に数秒しかもたないわね。




真人「これが領域展開…!!」




　『いつまで立ってるのよ。頭が高いわね』




真人「!?」




今までの雑魚(特級)と違ってこれだけじゃ沈まない。




まぁ、こんな状況だからかもしれないけどね。




　『私は夜の王[吸血鬼(Vampire)]。だからか私の領域展開はこんな感じなの』




真人「ははっ、恐ろしいね…」




(謝罪)

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