貴方に助けられたその日から【キングダム】

第8話 ページ8

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「漂の仇…思い知ったか…思い知ったか！バカヤロー!!」


肩で息をしながらそう叫ぶ信。

こいつ、あの刺客一族を一人で…


「とどめだ！」


信が大きく剣を振りかぶる。

その瞬間、男が一歩後退りをした。


「待ってくれ！俺には四人の子供がいる!!俺が死んだら孤児になる…孤児になったら、奴 隷だ…!!どうか、命だけは!!」


男の言葉に信の動きが止まる。
そしてゆっくりと剣を下ろした。

こいつまさか、同情でもしているのか？


「ありがとうございます!!ありがとうございます!!あり…」


次の瞬間、男の首から血飛沫が舞う。
贏政様が男にとどめをさしていた。


「お前の子供とお前の罪は関係ない」


剣を収めながら贏政様はそう言い放った。
信は驚いたように目を見開いている。



「次はどうする…？俺を殺すか」


贏政様の言葉に、剣を抜き信と贏政様の間に立つ。


「王の命を護るのが私の使命。その時はこの私が相手だ、信」


正直こいつとは争いたくはないが…
こいつと戦うと面倒な事になりそうだ。


「待てA」


後ろを振り向くと、贏政様が地面に手を置き耳をすませていた。

私も目を閉じ聴覚に意識を集中させる。


「来てるな」


「もうここが…」


聞こえてきたのは敵軍がこちらに向かってくる音。

あまり時間は無さそうだ。




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