貴方に助けられたその日から【キングダム】

第15話 ページ15

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「少し休憩しよう」


昌文君との合流地点までの道すがら、嬴政様の一言で休息をとることになった。

木陰に座る信の息が荒いのが気になるな。


「信、お前よく見たら傷だらけだな」


河了貂の言葉に信に視線をやると、確かに彼の腕や顔には傷が刻み込まれていた。

喧しく騒ぐ二人を横目で見つつ溜め息をつく。何故ここまで無意味な会話を繰り広げることができるのか。


「そろそろ行くぞ」


「御意」


くだらぬ戯言に耳を傾けるのはここまでのようだ。

嬴政様のお言葉に返事をし私も立ち上がる。


「おっしゃあ！こっから山の民の脚力を見せてやる！遅れるなよ、信！」


足でまといは面倒だ、と思いもう一度信を振り返る。

すると奴は立ち上がった瞬間、ぐらりとバランスを崩し地面に倒れ込んだ。


「ど、どどどどうしよう！やっぱり俺の包帯が悪かったのか!?」


気を失った信を前に、河了貂が焦りを帯びた声でそう言い頭を抱えた。



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