第5話 ページ5
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「できるだけ早く小屋に着きたい。走れるか?」
「もちろんです」
暗い夜道を駆け抜ける。
周囲に敵はいないか、罠はないか。
常に気を配りながら移動しなければならない。
今のところ敵の襲撃もない。
幸い、順調に進んでいる。
「もうすぐ着くぞ」
暗闇の中に小さな小屋が見えてきた。
この粗末な小屋にこの国の大王がいるなど、普通は考えないだろう。
一度周囲を確認し、静かに中に入る。
「贏政様、ごゆっくりお休みください。私は起きておりますので」
「あぁ…そういえばA、普段はいつ寝ているのだ」
贏政様の質問に首を傾げた。
何故そのようなことを聞かれるのだろうか。
「普段は明け方の四時から一時間程の仮眠を取らせていただいております」
「そうか…」
贏政様はそう呟くとそれきり黙られてしまった。
姿勢良くその場に座り、じっと虚空を見つめる贏政様。
一度外の様子を見ようと、その場を立った時だった。
「贏政様、足音が…」
「構わぬ、そこにいろ」
足音がこちらに近付いてくる。
一人…成蟜の刺客か?
念の為剣を抜く準備をする。
次の瞬間、バッと垂れ幕が開いた。
小屋に入って来たのはボロボロの布を身にまとった少年だった。
彼は贏政様の姿を捉えると、驚いたように目を見開く。
「漂…?」
この少年、漂を知っている…?
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心(プロフ) - 初めまして★今更キングダムにハマり初見させて頂きました!更新楽しみにしています! (2022年8月11日 12時) (レス) @page17 id: 8b8beb8b4b (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 面白いです!更新頑張って下さい! (2020年5月30日 21時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみに待ってます! (2019年12月9日 0時) (レス) id: 7c69be82b3 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - 更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年7月11日 23時) (レス) id: d46901af11 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - みずきさん» ありがとうございます!頑張ります (2019年5月14日 20時) (レス) id: 11eeccd4df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ria x他1人 | 作成日時:2019年5月5日 16時