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返ってきた数学の小テストの「0」と、目の前の先生の引き攣った顔を交互に見て、乾いた笑みを漏らした。
もちろんその0は、二個並んでる方の0でも、数字の後にくっついている0でもない。
「次の小テスト、赤点だったら補習な」
「ありがとうございます……」
次回のテストまで猶予を与えてくれた先生に感謝しつつも、私は自席に戻りため息をついた。
どうしよう、もし補習だったら炭治郎たちと一緒に帰れない……
「0単体かよ……」
横から私のテストの点数を覗いた善逸は、勿論呆れ返っていた。
うん、言い返す言葉も浮かびません。
「伊之助ですら5点取ってるぞ」
「うそ!?」
驚いて伊之助の方を見れば、テストの答案なんかそっちのけでぐーぐーと眠っていた。
あれに負けるなんて………
「善逸」
「なんだよ」
「放課後、勉強会しようよ」
「えー、結局勉強飽きてゲーム始めるだろ、いつも」
「今回は真面目にやるから!」
絶対に炭治郎と帰れないのは嫌だ。
それに勉強会だったら、炭治郎にも教えて貰える訳だし。
「絶対、炭治郎と一緒にいられるからいいや、みたいなこと考えてるだろ」
「あ、バレた?」
善逸には思っていることが筒抜けだ。
別に今更恥ずかしいとは思わないけれど。
「二人じゃなくていいのか?」
「それは恥ずかしくて死にそうになるから遠慮しとく」
「へーへーそーですか」
善逸、君はわからないんだろうけど本当にしんどいんだよ?あれは。
距離近いし、ずっと炭治郎の声が耳元にかかるし、たまに手とかに触っちゃうし……
思い出しただけで恥ずかしくなってきた私は、ぶんぶんと一人で頭を振った。
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紅葉(プロフ) - キュンキュンしました…!甘い恋愛をありがとうございました! (2020年2月19日 9時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 完結おめでとうございます!ラストもめっちゃキュンキュンしました…っ/// 両片想いツボで、ラストの切ない勘違いからの甘い展開も好きなので面白かったです!! 番外編も読めたら嬉しいです(o>ω<o) (2019年12月1日 0時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
らい - すごくキュンキュンしました!泣いちゃった…。私も今好きな人いるからこんな風になれたらいいな…とか。 (2019年11月26日 0時) (レス) id: 5bd8ec40a6 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - キュンキュンしてました!ずっと! (2019年10月29日 20時) (レス) id: 8efb03cbb1 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - 更新楽しみにしています!頑張ってください! (2019年10月28日 22時) (レス) id: 156c93a62a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みーた x他1人 | 作成日時:2019年10月27日 16時