FBIと公安に愛される私 Part3 (ページ41)

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141ー天国へのカウントダウン編終了ーページ41

〜A〜

30秒を切った時点でコナンくんが車のキーを回した

胸がドキドキする

まるで……天国へのカウントダウンをされてるみたい

上着をギュッと握りしめた

大丈夫。絶対死なない

こんなにも心強い味方がいるんだもん

拓真の声に合わせてシンクロしたかのように無意識に私もカウントダウンを口にしていた

コナン｢出すよ！！｣

残り5秒でアクセルを踏んだ

車に飛び乗った拓真は私の頭を無理に下げさせた

1秒で車は窓を破り、0秒で車は爆風に押されさらに加速した

絶叫アトラクションさながらの恐怖

安全装置なんてないから、正真正銘命を懸けて

車は墜落することなく無事プールに着地した

良かった

計算は間違ってなかったのか

流石はあの工藤新一くん

蘭｢コナンくん！｣

雄司｢A！｣

｢お父さん｣
コナン｢蘭ねーちゃん｣

2人とも濡れるのも気にせずプールの中に入ってきた

拓真は私から上着を取って真っ先に毛利さんの元に謝罪に行った

拓真｢車は後日弁償させて頂きます｣

小五郎｢い、いえ。乾かせば多分……｣

拓真｢脱出のさい傷がついたかもしれないので｣

小五郎｢そうっスか……？じゃあお言葉に甘えて｣

蘭｢もう心配したじゃない！｣

コナン｢ご…ごめんなさい｣

雄司｢どこも怪我はしてないか？｣

｢う…うん｣

この歳になって父親に抱きしめられるのは変な照れがある

さっきエレベーターの前で抱きしめられた時とはまた違う

安心するかのように、私を包み込んでくれる

拓真｢お嬢様｣

プールサイドから声をかける拓真は私より高い位置にいるからか、見下ろされてる感が強い

拓真｢残される辛さを知っている貴女が旦那様を残して死ぬなんて、絶対にあってはならない｣

あの日私は泣いた

泣く事しか出来なかった

大好きなお母さんに置いていかれる恐怖

もう話せない

名前を呼んでもらえない

二度と……会えない

お父さんは私以上にその辛さ(想い)が強くて……

｢ごめ…んな、さい……｣

死にたいわけじゃなかった

心配させたいわけじゃなかった

いい歳した大人がお父さんに抱きついて、人目も気にせず泣いた

私は、私を……お母さんを愛したこの人を置いて死のう(逝こう)としてた

愛した家族がいなくなる辛さも悲しみも全部知ってるのに……

｢ごめんねお父さん｣

雄司｢いいんだよ。Aが無事ならそれで｣