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〜風見〜
矢河氏の娘は誘拐するにはうってつけの人物
様子を見に離れるのは危険すぎる
仲間がいるかもしれない
かと言って2人でいるのも……
職業を刑事だと明かしていないからこそ、他人である私に迷惑をかけられないと思われているのかもしれない
一体どうすれば……
そうだ!!
風見「Aさん。お時間よろしいですか?」
「え?ああ……はい。急いで帰る必要は……ないかと」
チラリと後方を見た
尾行されていると分かっていながら自宅に戻るなんてバカなことはしないか
周囲を警戒しながら大型ショッピングモールまで歩いた
割と近い場所にあったため、そう時間はかからない
風見「すみません、Aさん。少し電話をかけてきますので、ここで待っていてもらえますか」
「どうぞどうぞ。私のことは気になさらずに」
ここなら人目は多く、目の前には交番もある
よっぽどのバカでない限り何もしてこないはず
風見《お疲れ様です降谷さん。お休みのところ申し訳ないのですが、今ら出て来られますか》
安室《事件か?》
風見《そうではないのですが……。その、占いが……》
安室《は?占い?》
風見《そうなんです!今日の降谷さん。大型ショッピングモールが吉となってまして》
安室《今日って……。もう夕方だぞ?》
風見《そう、なのですが……》
安室《はぁ。分かった。よく分からんが、そこが今日の僕にとって吉なんだな?すぐ行く》
これで良し
降谷さんのほうがAさんを守れる
2人が合流するのを遠くから見守っていると、やたらとAさんが男に声をかけららる
矢河氏の娘ということを差し引いてもAさんは普通に可愛く、自然とああなってしまうのだろう
助けに行きたいが2人でいるとこを降谷さんに見られたら言い訳も出来ない
早く来て下さい。降谷さん
ただこうして見ているだけでは罪悪感だけが膨らむ
こんなことなら最初から正体を明かしておけば良かった
その上で友人に……なれ、たら……
いや、それは無理だ
ただの風見裕也ならともかく、降谷さんの部下の時点で普通の友人になれるはずもない
私が得た情報が全て降谷さんに漏洩するとなると、優しいAさんでもいい顔はしない
出会うべきではなかった
降谷さんの部下として、報告しておくだけにしておけば、こんな思いを抱かずに済んだ
降谷さんが来てくれたのを確認して、Aさんには急な仕事が入ったと連絡をした
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作者名:まゆ | 作成日時:2024年1月30日 8時