FBIと公安に愛される私 Part8 (ページ4)

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｢思ってたより多いんだな｣

シンガポールでリリックさんが言った23年前

その年の火に関する記事を調べたらいいんだけど、驚くことに1年で約3万件近くもあった

全国ではなく東京だけに絞れば4千件まで落ちる

そこから更に、米花町に照準を当てればぐっと減った

この中のどれかに拓真が関わっている

記事をコピーしてじっくり読み込む

学生のときに使っていたカラーペンで人名に線を引いていく

今の所、拓真の名前はない

出火原因もそれぞれでまとめてみたけど、うん。全然分かんないや

リリック『過去を繋いでくれる』

鎖(チェーン)が宝物と言った

拓真の知り合いが亡くなった？

加害者ではない、ということは、被害者ではなく、被害者の友人、或いは恋人

被害者が誰と知り合いかなんて、書いてくれるご丁寧な記事はなく、どの事件に的を絞ればいいのやら

警察なら当時の関係者に聞き込みしてるだろうから、もしかしたら、とは思ってる

透さんの協力があればすぐにでも分かるかもしれないけど、利用したくない気持ちのほうが強い

係員｢お客様。そろそろ閉館時間ですので｣

｢え、もう！？いつの間に……。すぐ片付けますので｣

私の感覚ではまだ昼頃なんだけど

集中すると時間って早く流れるな

新聞を片付けて、図書館を出ると夕陽が眩しくて、つい目を細めた

こういうときドラマとかなら後ろから尾けてくる人がいるんだよね

｢……？｣

気のせいかな。さっきから足音がずっと尾いてくる

まぁ、道が同じなんて、よくあること

自意識過剰はよくないんだけど

私が止まると足音も止まる

うん。尾けられてるね

誰かに電話しようにも、誰にかけても危機管理がなってないと怒られそう

これって素直に家に帰らないほうがいいよね絶対

どうするべきか悩みながら歩いていると、飛田さんと出くわした

そんなに顔に出ていたのか第一声に、どうしたのかと聞かれた

尾けられていると言うと、なぜか驚かれた

風見｢その割に随分と冷静ですね｣

｢そんなことないですよ。めちゃくちゃ動揺してます｣

風見｢そうは見えませんが……。このまま自宅に帰るのは危険ですね。失礼ですがご実家のほうは頼られないんですか｣

｢んー。自分の中で色々あって、今はあまり近寄りたくないというか｣

かと言って誰かの家に泊めてもらうと迷惑がかかる

詰んでるっていうんだろうね、この状況