163話 ページ20
貴女side
年明けはまた皆祝ってくれて恥ずかしかったけど毎年楽しみにしてた
家に帰って気づけば朝で、私たち一家は家を出る準備をしていた
母｢Aー！準備できた？｣
A｢今行くー！｣
バタバタと階段をおりて玄関で靴を履く
お父さんが既に靴を履いて待っていた
A｢ねぇお父さん｣
父｢ん？｣
A｢お兄ちゃんのとこ行く前にちょっとよって欲しいところあるんだ｣
元旦。そして私の誕生日。この日は家族で兄のお墓参りに行くのが毎年の恒例となっている
父｢いいぞ。どこだ？｣
A｢あのね……｣
…
砂利をふむ音だけが響く墓地
A｢…来たよけいちゃん｣
場地家之墓と記された墓の前で足を止める
そっと花を添え、お線香をたて手を合わせる
A｢私15歳になったよ…けいちゃんより先に。けいちゃんも早く誕生日迎えて同い年に…｣
墓石の横に記された
A｢なんでこんな数字で止まってんだよ…馬鹿｣
静かに涙を流していると足音が聞こえてきた
場地母｢…あら、Aちゃん｣
A｢おばさん…｣
場地母｢来てくれてたのね。親御さんは？｣
A｢車で待ってます。一人で行きたいってワガママ言っちゃって｣
場地母｢そうなのね｣
おばさんは優しく微笑んで私の涙を拭いてくれた
おばさんはそのままけいちゃんのお墓の前にしゃがみ、お線香をたて手を合わせた
場地母｢…Aちゃん、今日で15歳ね｣
すっと立ち上がって微笑みかけてくれるおばさん。笑顔がけいちゃんとそっくりだ
A｢……はい｣
場地母｢…これ。圭介の遺品整理してたら出てきたの｣
A｢え…手紙……？｣
場地母｢Aちゃん宛だったから見るのも悪いと思って渡しに行こうと思ってたの｣
おばさんから手紙を受け取ると汚い字で春田A様と書かれている
場地母｢汚い字よね、ほんと｣
A｢ほんとに…汚い｣
また涙が出てきた
あの後少しおばさんと墓地を後にした
。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2204人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
笹ノ原(プロフ) - 華さん» 長い間お待たせしました！ ようやく更新しました！頑張って更新続けます！！！ありがとうございます！！！ (2023年5月5日 22時) (
レス) id: 1d1b547a78 (このIDを非表示/違反報告)
笹ノ原(プロフ) - ユウさん» 約1年越しになってしまいましたがありがとうございます！！やっと更新しました！！！！！ (2023年5月5日 22時) (レス) id: 1d1b547a78 (このIDを非表示/違反報告)
華 - めっっっっちゃ、面白かったです！更新待ってまーす‼︎ (2022年3月29日 10時) (レス) @page37 id: a631383505 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 一気読みしてしまいました！更新待ってます！ (2022年1月5日 23時) (レス) @page37 id: d7bd017054 (このIDを非表示/違反報告)
笹ノ原(プロフ) - ゴリラの娘ですさん» お返事遅くなってすみません！ありがとうございます！！頑張ります！！！ (2021年11月11日 17時) (レス) id: 1d1b547a78 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：笹ノ原 | 作者ホームページ：
作成日時：2021年8月22日 2時
