みんなで大乱闘ちびまる子ファミリーズ ページ9
きっと俺がもっとはやくに入社して彼と出会っていたら、彼はずっと続けてくれていたのだろうか。共に支えあえる関係にまでなって、なんでも相談しあって、それで、
彼は涙を流さずにゲームを楽しんでくれていただろうか。
静かに涙を流す彼は綺麗だった。何も言わず、嗚咽すら漏らさずにぽたぽたと雫を落とす。彼の目はテレビ画面に向けられていて、その目はどこか懐かしむような目だ。
「出来ることなら、やりたいよ。」
はじめて、ちゃんと彼の希望を聞けた気がする。大丈夫だとか、出来ますよだとか、そんな安っぽいセリフ言えない。何も言えない。
「Aさんが持ってるの、俺が過去にプレイしたことあるゲームでさぁ。趣味とか一緒だって、ちょっと嬉しかったよ」
それだけ言って何事もなかったように立ち上がった彼を引き止める。
なんで泣いてないふりをするんですか。俺の目にはきちんと写ってるんですよ？後輩だからって、なめないで。
「つわはす、さん」
俺がその名前を呼ぶと彼は驚いて固まってしまった。なんで、と口を動かしているが声にはなっていない。
「おれ、ずっとつわはすさんの動画見てたんです。楽しそうにゲームをプレイするつわはすさんか大好きで、仲間とワイワイやってるつわはすさんも大好きで。もっともっと動画を見ていたかった」
「だから、入社して津川さんがつわはすさんだと気付いて、ゲームは続けてくれてるかなって思って聞いたら、もう辞めたって。正直、ショックでしたよ。あんなに楽しそうにプレイしていたつわはすさんが、辞めてしまうなんてってね。」
だから、おれは、その言葉はかき消された。俺の声以上に大きな声が遮ったのだ。
ぽろぽろと流れていた涙はぼろぼろと零れては染みを作っていく。
「俺だって続けたかったよ！でも、ひとりでやったって、辛いだけなんだよ、あの時のことを、思い出して、辛いだけなんだよ‥‥っ！」
初めて聞いた彼の悲痛の声は、思ったよりも酷いものだった。
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なっつ＠みかじい♪(プロフ) - 読み始めた瞬間から、最後まで涙が止まることはありませんでした。つわはすさんがまた戻ってこれるように願ってます。またみんなで楽しくわいわいやってる彼の姿が見たいと、改めて思わせてくれた小説です。素敵な小説を書いていただき、ありがとうございました。 (2015年10月13日 22時) (
レス) id: abdbabcf10 (このIDを非表示/違反報告)
ラファエル(プロフ) - 泣いた。あれ、私ってこんなに涙腺弱かったっけ (2015年10月3日 11時) (レス) id: 3728fc286e (このIDを非表示/違反報告)
ねるも（ろろこま）＠実況者沼に引っ掛かった(プロフ) - 本当につわはすさんが戻ってくれることを願う、いいですね、俺の中で彼は戻ってくると信じています。とても感動しました、素敵な作品をありがとうございました。 (2015年9月18日 19時) (レス) id: 82cd772451 (このIDを非表示/違反報告)
にお(プロフ) - 読み始めから涙がでました。彼が画面越しのこの場でなくとも楽しくゲームをできてればいいなと思いました、とても素敵な文でした面白かったです (2015年9月17日 9時) (レス) id: 57b91b1e10 (このIDを非表示/違反報告)
瀬良 - 涙が思わず出ました。書いて頂き有難うございました。俺も、彼が幸せに、また彼等と楽しくゲームが出来ることを願ってます。 (2015年9月15日 21時) (レス) id: 97c09f2b73 (このIDを非表示/違反報告)
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