二十二話【星祭の夢】 ページ22
トントンに渡された紙に書かれた住所は海辺の街。
はやる気持ちを必死で抑えながら車を走らせる。
目指すアパートに辿り着き、近くのパーキングに車を停めた。
こんな夜中に迷惑だったか、と今更になって思いながらインターホンを鳴らす。
無音。
一切の反応を見せない様子に不安が募る。
自分が拒否されているのか、はたまた彼女の身に何かあったのか。
前者であればまだいい。いやよくはないけど、後者でないのならもうそれでもいい。
もう一度インターホンを押してみるが、人の気配すら感じられない。
出掛けているのか…？こんな時間に？
ぐるぐると回る思考の先でふと思い出す。
昔、何が好きなん？なんて聞いた時のこと。
"海が、すきなの"
そう言って、切なげに笑った横顔を。
あの時の一瞬泣き出してしまいそうな、儚く消えてしまいそうな。そんな彼女を、思い出した。
もしかしたら。
一縷の可能性に賭けて、俺は海へ向かって駆け出す。
海辺に向かえば、遠くにひとつの影があった。
「A！！」
確証なんてなかったけど、彼女の名を叫ぶ。
近づけば近づくほど、彼女にしか思えなくて。
「A！！！」
もう一度彼女を呼んだその声に、立ち上がった彼女は振り向き目を丸くさせる。
「だ、いちゃん…？」
あぁ、間違いない。
俺がずっと探してた彼女だ。
彼女の腕の中に抱かれる小さな女の子は嬉しそうに笑っている。
その顔が彼女にそっくりで、どこか自分の面影すらも感じられて。
どうして、と言わんばかりの表情に、トントンから聞いたことを伝える。
そんなことよりも、言いたいことが、言わなきゃいけない言葉があった。
「好きや、A。ずっと、言いたかった」
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野々宮蓮花(プロフ) - 114514さん» わ〜〜！！！嬉しいお言葉、ありがとうございます…！こちらも読んでくださってありがとうございます…！比翼連理合わせてこそ…と思って書いておりましたので、こちらにも触れていただけて本当に嬉しいです。こちらこそ、ありがとうございました…！ (2020年9月16日 22時) (
レス) id: 720637d64b (このIDを非表示/違反報告)
114514(プロフ) - 前作にとても惹かれて連理の方も読ませて頂きました…前作では見えなかった彼の想いが繊細にリアルに書かれていて重ねて読むことで尚更胸の奥を抉られるような切なさがありました…凄く好きなシリーズです。素敵な話をありがとうございます… (2020年9月16日 20時) (レス) id: 8149499a76 (このIDを非表示/違反報告)
野々宮蓮花(プロフ) - すみれいんさん» 2作共にお読みくださりありがとうございます！！まさにそれを狙っていたので、そう言ってくださってとても嬉しいです…；；本当にありがとうございました！ (2020年7月9日 22時) (レス) id: 720637d64b (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - めちゃくちゃ良かったです。飛べない方では先生の心情？内心？か分からなかったのでまさかこのお話でわかるとは…と思いながら読ませていただきました！この時こんな感じやったんや…なるほど…となっておりました！完結おめでとうございます◯¬！ (2020年7月9日 22時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
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