ポップコーンが食べたい─4 ページ10
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「はい。ポップコーン」
「……あり、がと」
「今から食べる？」
小さく頷いてテーブルに近づいてきた『蜂』。
コンビニで買ってきたものだから安いやつだけど、それでいいって言うからすぐ戻ってきた。
「俺らさ、抜け出してきたわけだし、怒られるんじゃない？」
本当は怒られるどころじゃ済まされないけれど。
「……俺の所為で、死んだらごめん」←
「ごめんって言われても……苦笑」
薮くんに後追いされたら困るし、それはなんとしてでも避けるけど。
いくらなんでも他人事すぎな気が……。
「俺のこと、きっと誰も信じてくれないだろうし」
「どうして？」
「人殺してるし。組長、敵に回したし」
ポップコーンを啄ばみながら、よく喋る『蜂』。
この調子なら、聞いても答えてくれるだろうか。
「なんで組長、怒ってたの。『君』は組長に命令されて殺してるんだと思ってたけど」
ポップコーンに伸ばす手がピタリと止まり、目が泳いでいた。
この場合黙るだけか、沈黙に耐えきれなくて話し出すかのどちらかに決まっている。
「やっぱり見てたんだ」
「こっそりね」
苦笑いで指を舐めた。
俺も話を聞く心構えをしておく。
「あの人は、事件を隠蔽した。その事件を調べてて」
「今回はどうして？」
「あのおっさん、厚生労働省にいたのに水質調査を怠った。それで、人が、沢山……」
「他にも以前に殺してるよね？その事件に関係してるの」
「そう、、。全員、あの地域を見殺しにした奴らだ」
固く拳を握り締め、悔しさに顔を歪めている。
俺はなにも、することができなかった。
プルルルルルップルルルルルッ
俺の携帯が震えた。
画面には“八乙女光”の文字。
「もしもし」
hk「高木！お前なに抜け出してんだよ！」
「ごめんごめん。スゴく苛ついているように感じるのは俺だけかな？」
hk「そう感じるならすぐ戻ってこい！『蜂』の行方が分からなくて組長がお怒りだっ！」
ちら、と『蜂』を見る。
俺らの会話が聞こえているのかいないのか、呑気にポップコーンを口に含み始めている。
「はいはい。……すぐ戻るから」
hk「マジで殺されるぞお前。『蜂』の場所が分かったら連絡しろ」
「分かるわけないじゃんか……」
と、言っておきながらも『蜂』に聞いてみる。
「組長、『君』を捜してるってさ。どうする？」
聞いた時にはもう、フードを被り直していた。
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柊(プロフ) - みるみるみるきーさん» コメントありがとうございます！！！まさかまさか、みるみるさん（私が勝手にそう呼んでいます。すみません）からコメントを戴く日が来ることになるとは……！騒いでいただけるなんて、感激です！早く更新します！ありがとうございます！頑張ります！ (2020年9月13日 23時) (
レス) id: 9a230f5c32 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - 初めまして。《ミントな君に祝杯を》をから一気読みしてしまいました。いろんな人がいろんな形で絡んでいて、え？あら？そーなの？うわー！と、ひとり騒がしくしながら読み進んでいました。更新、楽しみにしています。 (2020年9月12日 19時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2019年6月16日 15時
