ポップコーンが食べたい─1 ページ7
.
俺が光くんと、人気のない倉庫裏に来たときだった。
hk「なんか、音が聞こえる」
「確かに……。誰か喧嘩してる？」
hk「こんな所でか？不気味なもんだろ」
話しながら、それでも普通な足取りで歩いていた俺らだったけれど、異様な雰囲気に、辺りの空気は一変した。
普段あまり顔に出ない光くんも焦っているようで、思わず立ち止まってしまった。
「なんだよ、、これ」
hk「話し声も聞こえるな。……行こう」
恐る恐る、というより興味本位で、音を立てないように近づいてみる。
「うっ、、……っ！」
「なんであいつを殺した！お前を買ったのはな、敵を潰してもらう為だ。味方を潰せなんて誰も言っていない」
「……っ。でもっ。とう、さ──」
「言った筈だ。ここでは父親ではなく上司だと」
「……く、みちょう、、ぁっ！」
「なんだ？」
殴られて殴られて、これでもかと殴られていた青年。
黒いフードに身を包み、地に伏しながら組長を“父さん”と呼んでいた。
もしかして……
いや、もしかしなくてもあれは『蜂』だ。
「貴方はっ、……罪を、犯したっ」
頰は片側だけ赤く腫れ上がり、腹を蹴られながらも、睨みつけることだけは止めない。
怯える訳でもなく、強さを示す訳でもなく。
ただ、純粋に答えを探し求めているような、そんな目だった。
「罪だと？」
「あのじ、けんはっ。……貴方が引き起こしたっ」
「黙れ」
「貴方が、貴方達がっ……。
俺が殺した社長は、全部、吐いた……っ！」
最後の一発は頭を蹴られ、気を失ってしまったらしい。
一部始終を目の当たりにして、呼吸さえ儘ならなかった。
「……使えねぇ」
徐々に降ってきた雨に打たれるまま、その場に残された『蜂』。
関わってはいけない。
でももし、今関われば、『蜂』のことをもっと良く知れるチャンスになる。
hk「おい高木！」
「光くんはここで待ってて」
hk「ちょっ、、知らねぇぞ」
駆け足で去って行った光くん。
ありがとう。
この方がずっと都合がいい。
体を軽く叩いたものの、一向に反応を示さなかった。
「とりあえず、屋内か」
『蜂』を抱え、近くの屋根の下に入る。
まだ降り始めたばかりだったからか、それほど濡れてはいない。
「『蜂』なら、あんなの避けられるだろ……」
一人にするのも可哀想だったから、目を覚ますまでは一緒にいることにした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 205人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊(プロフ) - みるみるみるきーさん» コメントありがとうございます！！！まさかまさか、みるみるさん（私が勝手にそう呼んでいます。すみません）からコメントを戴く日が来ることになるとは……！騒いでいただけるなんて、感激です！早く更新します！ありがとうございます！頑張ります！ (2020年9月13日 23時) (
レス) id: 9a230f5c32 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - 初めまして。《ミントな君に祝杯を》をから一気読みしてしまいました。いろんな人がいろんな形で絡んでいて、え？あら？そーなの？うわー！と、ひとり騒がしくしながら読み進んでいました。更新、楽しみにしています。 (2020年9月12日 19時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柊 | 作成日時：2019年6月16日 15時
