検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:48,335 hit

舌に噛み跡─3 ページ3

.


「俺の為ならなんでもすんだろ?」


yb「そうじゃっ、なくってっ……んん、」


「違うの?こんなに反応しといてさ」




言葉で追い詰めて焦らせば、それだけでピクピクと反応する彼の身体。


俺のことを怖いとでも思っているんだろうか。


それもそうか。俺が行為中に怒った(ため)しなどないもんね。


そりゃそうだ。

薮くんに怒るなんて、というか命令するなんてことも、本来なら俺の良心に誓って絶対に出来ないことなんだから。


俺が『君』の為に、怖がらせる他には、ね。




yb「たか、……き?」


「なに?言い訳でも思いついた?」


yb「間違ってた、の?俺、はっ……、高木のこと、危険に、晒した?」




でもね薮くん。


俺は約束した筈だよ。


君を苦しめるものは、全て消してみせるって。




「良かった。このシルシ、まだ消えてなくて」




だから俺の安全なんて、元から保証されていない。




yb「ねぇ、たかきっ」




質問に答えてしまったら、きっと君はいなくなる。


だから俺はこんな曖昧な方法で、君と首の皮一枚で繋がっていようとしているんだ。




「また、上書きしてもいい?」


yb「んっ、やめ、て!」




初めて会った日。初めて君と体を重ねた日。


初めて一緒に過ごした日、いつもそこを痛がったよね。


でもそれだけは永遠に付けていたかったんだ。


俺からのちょっとした暗号なんだ。

だから舌にも、俺は噛み跡を作るんだよ。




「俺の我儘、許してほしい」


yb「やめてっ、、お願い……っします、」


「ごめん」




消えてしまったら、俺の願いは叶わなくなっちゃうからさ。




yb「ああっ!……いっ、、」


「ごめん。大丈夫だった?」


yb「っんな訳ねぇだろ!……冷やしてくる」




服は全体的にはだけていて、どこを取っても美しい肌が見え隠れしている。


俺がシルシを上書きすると、薮くんはいつも本気で怒って痛がって、冷やしに行く。


二ヶ月に一回の、記念日にでもした方がいいかな。




yb「高木!ちょっとこっち来い!」


「まだ本番に行ってないのに?」


yb「血出てんだよ!やり過ぎだ!」


「そんなに叫んだら余計に出てくるよ」


yb「……っ。高木が困るならそれでいい」


「ちょっ、ダメ!」


yb「早く絆創膏持ってこいよ!お前の噛み癖は舌だけにしてくれ」


「そうは言われても……」




でも嫌われるのは嫌なんで、しっかり手当てさせていただきました。


.

舌に噛み跡─4→←舌に噛み跡─2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (125 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
205人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - みるみるみるきーさん» コメントありがとうございます!!!まさかまさか、みるみるさん(私が勝手にそう呼んでいます。すみません)からコメントを戴く日が来ることになるとは……!騒いでいただけるなんて、感激です!早く更新します!ありがとうございます!頑張ります! (2020年9月13日 23時) (レス) id: 9a230f5c32 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - 初めまして。《ミントな君に祝杯を》をから一気読みしてしまいました。いろんな人がいろんな形で絡んでいて、え?あら?そーなの?うわー!と、ひとり騒がしくしながら読み進んでいました。更新、楽しみにしています。 (2020年9月12日 19時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年6月16日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。