操られたもん勝ち─2 ページ19
ym side
繁華街の駅前に七時。
こんな淡白なメッセージが薮ちゃんから送られてきた昨夜。
俺が裕翔と雄也に愚痴を溢した直後だったから、本当にビックリした。
タイミングが良すぎて盗聴でもされているのかと思ったくらいだ。
「涼介。来てくれたんだ」
駅前で待っていれば、七時ぴったりに薮ちゃんが来た。
こっちに向かってくる姿は、暗くなってからでもすぐに分かった。
駅からじゃなかったから、先にどこかに行っていたのかな。
「う、うん」
yb「それじゃ、行こっか。……大丈夫か?」
今からなにをするのかも忘れてしまうくらい、放心状態になってしまうくらい、薮ちゃんに見惚れてしまった。
裕翔っていう彼氏がいんじゃねぇのかよ、なんて思った人も多いと思うけどさ!
いや、ほんと、尊敬の意味で好きなんだよ!薮ちゃんが!
「だっ、だいじょぶだいじょぶ!早く行こ!」
yb「お、おう」
細身のジーンズにシンプルな白シャツと黒パーカー。
それだけなのに、こんなにも襲いたくなるのはどうして?←
yb「こっからちょっと暗いから気をつけて」
ふと気がつくと繁華街の奥まった方まで来ていた。
道というよりイキがった奴らの闇市みたいな路地で、こんなところを薮ちゃんと通っているのが不思議で仕方なかった。
「知念とはどこで知り合ったの?」
yb「んーとねぇ。確か──」
「よお、久し振り」
肝心の場所が聞き取れなかった。
そんな恨みも込めながら振り向くと、薮ちゃんに笑顔を向けている二十代くらいの男がいた。
自然と薮ちゃんの肩に手をかけている。
えっと……、これは、絡まれているととっていいのか?
yb「おひさ。知念見かけなかった?」
「アイツなら年中あそこ。そこ以外に行き場がねぇんだと」
yb「そっか……」
すると、幾らもしないうちに高校生くらいの不良が集まってきた。
薮ちゃんに向ける視線は熱いけれど、俺には違う意味で熱い。
「お久し振りです!」
「今までどこ行ってたんすか?」
「会えるの楽しみにしてたんですよ!」
まぁ大体こんなような感じの?ファンの黄色い声援みたいなのがあちこちから飛んでたわけよ。←
俺は十分程蚊帳の外でしたね。はい。
yb「あーもう、分かったから。それよりちね──」
「なにしてるの。宏太に群がって」
また強敵出てきた。←
あの輪の中から薮ちゃんを引っ張り出すと、ブーイングも押し切って俺の元へ連れ戻してくれた。
此奴が、知念?
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柊(プロフ) - みるみるみるきーさん» コメントありがとうございます!!!まさかまさか、みるみるさん(私が勝手にそう呼んでいます。すみません)からコメントを戴く日が来ることになるとは……!騒いでいただけるなんて、感激です!早く更新します!ありがとうございます!頑張ります! (2020年9月13日 23時) (レス) id: 9a230f5c32 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - 初めまして。《ミントな君に祝杯を》をから一気読みしてしまいました。いろんな人がいろんな形で絡んでいて、え?あら?そーなの?うわー!と、ひとり騒がしくしながら読み進んでいました。更新、楽しみにしています。 (2020年9月12日 19時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 | 作成日時:2019年6月16日 15時