袋の鼠。みたいにして─3 ページ27
.
「しっ、知られたくないとか、そんなんじゃっ!」
hk「ふーん?じゃあ、今度お前の家行ってもなんら問題はないってことだな?」
「はい?」
hk「よし、行くか」
「はあ!?ちょちょっ、ちょっとタンマ!」
「なんか文句でもあんのかよ」みたいな顔しないで!
そりゃ後日なら良いけどさ、今から行ったら薮くんがいるし……。
hk「なんか見られたくない物でも置いてあんのかよ」
「だから、そんなんじゃないけどさぁ」
hk「別に俺は知ってるぞ?お前の“薮くん”、って奴のこと」
「っ!」
……どうして。
どうして薮くんのことを、お前が知ってるんだよ。
hk「気づいてないとでも思ったかよ。お前がどこかの大学生と同棲してるなんて、すぐに調べがついたし」
「彼のこと、どこまで」
hk「大まかにならな」
どこから漏れた?
誰にも、少しだって言ったことがない。
裕翔にだって。
……山田?
いや、でも、俺と繋がってるなんて知られてはいない筈。
……じゃあ一体、誰が。
hk「誰から漏れたか、なんて、考えても無駄だ」
行こうぜ。
今ならその“薮くん”のこと、誰にも言わねぇからさ。
yb side
計画がバレそう。普通にね。
「なんだよ、これ」
一度だって梃摺ったことのないあいつが、こんなメールを送ってくるなんてこと考えられない。
だって自分から言ったじゃねぇか。俺を守るって。
「馬鹿じゃん、お前」
よくよく考えてみれば、こんな大規模な計画できる筈がなかった。
お前の連絡先、消したくねぇよ。
俺の指紋は拭き取れって、お前はまたそんなこと言うのかな。
部屋を片付けながら考える。
今の連絡だけは消しておかないと。
ピンポーン
なんて、俺らの心情とは相反する生温い音がした。
お前、鍵がなかったって通すの、これで何回目だよ。
そろそろレパートリー増やせよ。バレるぞ。
また、泣きそうになる。
「また鍵忘れたの?早かったじゃん」ってなにも知らないみたいにオートロックを外せばいい。
俺はそれで、お役御免だ。
「高木、さっき後ろにいた人ここ住んでたっけ?」
tk「いやー、えっと、、」
「ん?」
然も知らないみたいに。
玄関まで、頭上に?を付けて歩く。
hk「はじめまして。高木の同僚の、八乙女光と申します」
「はじめ、まして」
tk「光くん。テキトーに座ってて」
お茶を出してくるって、おい待て!
tk「仲良くしてね」
……気まずいんすけど。
.
205人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊(プロフ) - みるみるみるきーさん» コメントありがとうございます!!!まさかまさか、みるみるさん(私が勝手にそう呼んでいます。すみません)からコメントを戴く日が来ることになるとは……!騒いでいただけるなんて、感激です!早く更新します!ありがとうございます!頑張ります! (2020年9月13日 23時) (レス) id: 9a230f5c32 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - 初めまして。《ミントな君に祝杯を》をから一気読みしてしまいました。いろんな人がいろんな形で絡んでいて、え?あら?そーなの?うわー!と、ひとり騒がしくしながら読み進んでいました。更新、楽しみにしています。 (2020年9月12日 19時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:柊 | 作成日時:2019年6月16日 15時