唇に切り傷─2 ページ3
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「高木さん、お疲れさまです！」
「おう」
「組長がお呼びです」
直ぐ行く、と伝えれば道を空ける若い奴ら。
そんな俺も、高い役職の組員には頭を下げずにはいられない。
上下関係って良い思いすんの上の奴らだけだよな、なんて無意識に考える。
崩していたスーツを着直しながら、ぼんやり歩く廊下。
なげぇよ、なんて言葉は、溜め息と共にそこら辺に吐き出しておいた。
「なんだ高木。また唇切れてっぞ」
「お前の一言目はいつもそれだな」
「リップクリーム塗っとけって言ったじゃねぇか。だから荒れんだよ」
「塗ってるっつーの」
「あぁそうかよ」
組長室までの道のりで同じ配属の八乙女光と会った。
いつもいつも母親みたいに世話を焼いてくる。
それが助かるときもあれば、触れてくんなってところに気づかれるときもあって。
敵に回したくないヤツ、とでも言っておく。
……光くん、と呼んでいる仲ではあるけれど。
これは薮くんに噛まれたんだよ。
愛の印だっつうの。
「二人とも揃ったな。高木、八乙女」
知らぬ間に組長室まで辿り着いていた。
光くんも着いてきたから不思議に感じてはいたけれど、組長の一言で謎は解けた。
「お呼びでしょうか」
「まぁ座れ」
二人して顔を見合わせる。
組長が客用の椅子に俺らを座らせたことなんて、今の今までなかったんだ。
すごく重要なことに違いない、と踏んだ俺は思わず息を飲んだ。
「二人に頼みたいことがある。信頼している、二人にだ」
なぜそこを強調するんだ。
怖いから、とりあえず早く伝えてくれ。
hk「その頼みというのは？」
「この組を抜けてほしい」
さっき信頼しているって強調してたじゃねぇか！
そんなこと言いながらも俺らを切るのかよ！
hk「……というと？」
心の中では叫んでいた俺も、光くんの冷静な声で我に返る。
「お前らが重要なここの組員だということは、自他共に認める事実だろう。そして私も、お前らに頼っている部分が大いにある」
「では、どうして」
「敵対している組織にスパイとして潜り込んでほしい」
hk「スパイ、ですか」
おいおいマジかよ……。
「怪しまれないよう、苦肉の策ではあるがお前らを切るという結論に至った。勿論、表面上だ」
横並びの光くんから、溜め息が漏れた。
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柊(プロフ) - (名前)おかかおにぎりさん» すみません。出来ません。 (2021年3月7日 0時) (
レス) id: 9a230f5c32 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)おかかおにぎり(プロフ) - パスワード知りたいです (2021年3月6日 17時) (レス) id: 553748be50 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - シキさん» はい！お願いします (2019年8月11日 0時) (レス) id: 4345af9d4a (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - 分かりました。できるの楽しみに待ってますね！ (2019年8月11日 0時) (レス) id: ee98d10428 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - シキさん» コメントありがとうございます！この裏は作っている状態ではありますが、未だ納得のいっていない状態ですので、このお話が完結したら続きとして書いていこうと思っています。なのでパスをお教えできません。すみません！ 今後も楽しんで読んでいただけたらと思います！ (2019年8月5日 7時) (レス) id: 4345af9d4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2019年6月23日 14時
