厄介な傍観者─7 ページ21
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yb「高木。遅くなってごめん」
「いいよ、別に」
ありがとう。
素直に感謝すれば、憎めようのない笑みで向かいに座った。
「「いただきます」」
余韻も残さぬ短い間で、既にミニトマトを俺の皿へ移動していた薮くん。
とりあえず、苦笑い。
「で、どっちの話から?」
yb「ん、まずは彼女の件」
阿吽の呼吸、というか。
暗黙の了解、と言うべきか。
yb「あれは友達に高木のことを説明するとき、咄嗟に彼女って嘘吐いただけ」
以心伝心、かもしれない。
「え、それだけのこと?」
yb「それだけって。けっこう重要じゃねぇ?」
「んまぁ……そうだけど」
俺が腰を犠牲にしたの、俺だけ元取れてないんだけど!?
ていうか結構な赤字なんですけど!
yb「それに楽なんだよな。名前公表するのは高木に迷惑掛かるだろうし、惚気たいときとか彼女って言葉は意外と使いやすいからさ」
「のろ、け、、たい?」
薮くんが、俺との惚気を友達に言い触らしてるなんて……。
yb「駄目だった?」
「ぜんっぜん!」
寧ろ嬉しすぎて吐きそうな勢いです!
そんな心の声を顔に出し、全力で頭を横に振った。
yb「っつーことで。彼女=高木だから」
「了解です」
一大事解決!
yb「んで、問題の方なんだけど……」
水をごくり、と飲み干した薮くんの喉が上下に動いた。
それだけでさえも美しく、目を奪われてしまう。
yb「激しくしたのはごめん。ああでもしないと盗聴器の場所が突き止められなくてさ」
「でも、あるって分かったんだよね」
yb「今日は一段とボディタッチが多い気がしてたから」
やっぱり薮くんには、そっちのセンスがあるんだよ。
勿体ないような……そのままでいてほしいような。
「あれ。そういえば昨日の朝、『今日一日ボディタッチ禁止!』とかなんとか」
yb「っ……あれは!」
「しっかり奉仕させていただきました笑」
yb「……くそっ」
一日中触れられないなんて、無理に決まってるよな。
「高木って呼んでくれなくて、寂しかった」
yb「勘違いした?」
「ううん。行為中に気がついた」
俺がそう口にした途端、薮くんの手が止まり嬉しそうにニヤリと笑った。
なんだろう。凄く嫌な予感。
yb「高木の喘ぎ声、だだ洩れだったってことだね」
「うわ」
yb「高木の魅力が知られちゃうな」
自然と開いた口元にトマトを二つ突っ込んでやった。
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柊(プロフ) - (名前)おかかおにぎりさん» すみません。出来ません。 (2021年3月7日 0時) (レス) id: 9a230f5c32 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)おかかおにぎり(プロフ) - パスワード知りたいです (2021年3月6日 17時) (レス) id: 553748be50 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - シキさん» はい!お願いします (2019年8月11日 0時) (レス) id: 4345af9d4a (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - 分かりました。できるの楽しみに待ってますね! (2019年8月11日 0時) (レス) id: ee98d10428 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - シキさん» コメントありがとうございます!この裏は作っている状態ではありますが、未だ納得のいっていない状態ですので、このお話が完結したら続きとして書いていこうと思っています。なのでパスをお教えできません。すみません! 今後も楽しんで読んでいただけたらと思います! (2019年8月5日 7時) (レス) id: 4345af9d4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 | 作成日時:2019年6月23日 14時