さしす組のお兄さんだった彼は教師になりました

さん ページ4

『……暇』


時刻は8:26
夜雲は誰もいない教室に1人でいた、

ほか3人は任務で2日間遠出しているのだ。
その間は夜雲が1人ということになる。
机に足をあげて、椅子に座ってぶらぶらしていると、教室の扉がガラガラと音を立てて開いた。


直哉「あれ？見たことない顔やな？」

禪院直哉
御三家の1つ、禪院家の次期当主
京都校の1年生であり、随分生意気な奴である
男女差別が激しすぎる


『…………ひまぁ…』
直哉「おい聞いとんのか」


夜雲は禪院を見るも、無かったものとして独り言をこぼした。
それに腹を立てた禪院は夜雲に近づく。


直哉「おい、お前誰や1年生やんな？」
『……京都校の人っすよね？なんでいるんすか？』
直哉「悟くんに会いに」
『え、キモ』
直哉「あ"ぁ"ｯｯ！？」
『五条なら任務っすよ』


五条に会いに来たと言う禪院に素が出てしまった夜雲だが、そんなことなかったかのように振る舞う。
任務でいないと聞いた禪院は、何を思ったのか夜雲の隣の席に腰を下ろした。


『今日は帰りませんよ、明日か明後日』
直哉「気が変わったわ、名前は？」
『俺は夜雲瀬都』
直哉「禪院直哉や、よろしゅうな」
『チッ禪院家かよ』


互いに自己紹介したはいいものの、話している相手が禪院家と知った夜雲は、面倒臭いことになりそうだなと、一人頭を悩ませていた。

一方禪院は、面白いおもちゃが手に入ったと言わんばかりの笑顔を見せていた。


『禪院家が何のようで？』
直哉「ただの暇つぶしやで」
『暇つぶしでここまで来んなよ』
直哉「口の聞き方がなっとらんなぁ？」
『目上の人に媚び売る趣味はねぇんで』
直哉「へぇ？」


暇つぶしで五条に会いに来たと聞いて流石に引く夜雲だが、相変わらず敬語は外れたままだった。
そんな夜雲を見て、禪院は何かを思いついたようにニヤリと笑ってみせた。


直哉「瀬都くんやっけ？」
『馴れ馴れしいな』
直哉「まぁまぁ、暇なんやったらちょいと付き合うてや」
『面倒臭いからやだ』
直哉「今すぐお前を消すことも出来るんやぞ」
『そうやって脅すやつは弱いって知ってた？』
直哉「あ"？」


今すぐにでも喧嘩が始まりそうな教室内。
ピリピリとした空気が張り詰める中、扉が開いた。


傑「ただいまー」
『あれっ、早くね？』


入ってきたのは夏油。
2日間任務だと嘆いていたのにも関わらず、2時間で帰ってきたのだ。

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