婚姻届を書いてください!!【太宰治】

16話 ページ18

流石の太宰さんでも驚いたかな？


「太宰 Aです。
久しぶりにお会いしましたね」

嗚呼、何故死んだ筈の私が居るかって？
葬式もわざわざあげたのにね？


「A、君が天久さんかい？」


「えぇ」





7年振りかな？

「私に好かれてた気分はどうです？」

「兄を誑かした気分はどうだい？」



質問を質問で返されても……

「君は昔から芝居が得意な様だね」

そうだね、異能力があるなんて
一言も言ったことがない。



「敦さんが来るまで時間があります。
昔話はお好きですか？」

「嫌いだね」


そりゃそうでしょうね。


昔、私が求めた光を全否定した貴方が
今、光の住民になっているのだから。


「じゃあサスペンスは？」


「不愉快だ」

あらまぁ。



「君、私を揶揄って楽しかったかい？」


「やだなぁ、私は本音を伝えてた筈ですよ」

私が法螺吹きみたいな言い方されてもね？




「私は貴方を愛していますよ」


そこは間違えてはいけません！
それが例え……




「殺したいぐらいね」

「へぇ、私の事殺したいんだ？」



「えぇ、殺したいくらい愛してますよ。
大嫌いと愛しているは紙一重なんです、
分かります？

私の学生時代を奪いやがって」


怨んでも怨みきれない程怨んでるよ。

「よく一人で抜けられたね」

そうだよね。
その時私は死んだ筈だったからね。



「そりゃあ、私の異能力さえあれば
ポートマフィア位簡単に欺けますよ」


あの時はとても面白かったよ？

森鴎外も尾崎紅葉も号泣。


死んだ筈の私は
少し遠くから見守っていたのに


「よくあの歳で異能力を管理できたね」

「そりゃあ出来ますよ」



だって、

「拾われた時から
貴方と過ごしていましたから」

とても賢い貴方とね。


「ねぇ……君の異能力は？」



「内緒です。

ねぇ、私に裏切られた気分は？
私は良い女でした？」


答えてくださいよ。




「嗚呼、君は良い女さ。
この私も好いてしまったよ」


成功……？


「私はね、今まで恋愛等した事
無かったんだよ」



今まで、ね。


「君が初めてだよ、この私の初恋さ。
君はまだ恋などした事ないだろう？



私が教えてあげるよ。
君に恋愛を教えてあげる」


そう言って彼が私に触れた途端……


全ての情報が消えた。




「出来るものならやってみて下さいよ」


矢張り無効化はかなり危険だ。
既に完璧な計画が狂ってきている。




…………それでも、期待してしまうんだ

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