対価 その38 ページ39
Noside
ユリウス「僕にとって、彼女は宝物だった」
A「知ってるよ」
静かに言葉を述べるユリウス。
その表情は本気でメルシーを愛していたと思わせる。
A「でもね、死者は蘇らない。死んだんだよ、母さんは……!」
ユリウス「!方法が、あるんだ。彼女を取り戻す、唯一の方法が!!」
「知ってるよ」と心の中でつぶやくA。
それは自分の命と引き換えるものだと知っている。
ヤミ「自分の育てた娘をそんな簡単に殺していいのかよ!」
ユリウス「僕はこの時をずっと待っていたんだ!」
ヤミ「な…!」
ヤミが止めようとするも、ユリウスの覚悟は揺るがない。
もう、後戻りはできないとユリウスは分かっているから。
ユリウス「ごめんよ、A。でもこうするしかないんだ、こうするしか……」
国王「何を喋っているのだ!!ユリウス!さっさとその娘を殺せ!!
取り引きを覚えているだろう!?
もしも王家の生き残りがいて、余の目の前に連れてきたら、あの女を蘇らす方法を教えてやると。
そして、その女は殺さないと!」
ユリウス「…………」
国王「さぁ殺れ!!!」
声を荒らげる国王。
ユリウスにはまだ躊躇いがあった。
瞳が揺らいでいるのに、Aは気づいてた。
A「ユリウス」
ユリウス「これしか、ないんだ…!!!」
ヤミ「な!?旦那!! 」
グリモワールを開くユリウス。
周りにいた宮廷魔道士達はヤミを取り抑えようとしていた。
ユリウス「時間魔法…………!?!」
ユリウスが魔法でAを拘束しようとしてた時だ。
魔法が、発動しなかったのだ
ましてや魔力も削られている。
誰の仕業なのか、ユリウスは知っていた。
ユリウス「まだ抵抗するかい?」
ユリウスの目線の先には、
A「私、死にたくないんでね……!」
懐に忍ばせていたナイフで自ら左手を切り血を流し、膝をついているAの姿があった。
ユリウス「何をしたんだい」
A「え?私のグリモワールを使って母さんを蘇らす気だったんなら、分かってるはずだよ?」
ユリウス「!」
ユリウスは、自分が持っているAのグリモワールをみた。
グリモワールは開いてはないものの、赤い閃光色を放っていた。
これはグリモワールに魔力が注がれている証拠。
つまり、Aが何かの魔法を発動させた証だ。
A「“対価魔法 魔力消滅(ゼロマジック)”」
ユリウス「また君は面白い魔法を使うね」
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闘乱雪(プロフ) - 感動しました!涙脆い私だけなんでしょうか?凄くウルっときたのは (2019年2月10日 12時) (レス) id: 7aa059542a (このIDを非表示/違反報告)
N.K(プロフ) - まるさん、御忠告とご注意ありがとうございます!初めて書いていてあまり理解ができていない部分があり、すみませんでした。この忠告のもと気を付けて書いていこうと思います。本当にすみませんでした。 (2018年12月30日 16時) (レス) id: c08585e31b (このIDを非表示/違反報告)
まる - ルールを理解せずに作られた違反作品が増え、占つが無法地帯だと言われる要因の一つにもなっています。ルールをちゃんと守りましょう (2018年12月30日 13時) (レス) id: c2cd8ec7e2 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご理解下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい、違反行為です。最初に編集画面の注意事項をちゃんと読まれましたか?そこら辺をちゃんとよく読み、ルールを理解の上作品を作るようにして下さい (2018年12月30日 13時) (レス) id: c2cd8ec7e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パパゴラス3世 | 作成日時:2018年12月29日 20時