検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:27,160 hit

対価 その36 ページ37

Aside

ねぇ、ユリウス。

母さんは素晴らしい人だった?

母さんは死んでもなお、傍にいて欲しいと思えるほどの人だった??






ユリウス、私は貴方が分からない。






A「ど…………して…!」

ヤミ「あ?なんか言ったか?」

A「…言ってませんよ」

ヤミ「そうか」




ねぇ、もしも本当に貴方が望んでるのが母さんならなんで私をもっと早く、国王に渡さなかった。

欲しいのは王家の血と私のグリモワールだったから??




A「あ……」

ユリウスがいると思わしき部屋の前まで来た時だった。

私の足はある物のところで止まった。


ヤミ「おいどうした」

A「……」




私の目の前には、


鏡があった。



そこに写す女の姿は、いつしかユリウスが見せてくれた母さんの写真の姿そのものだった。









A「私を…、重ね合わせてた?」









ねぇユリウス。

貴方はどれほど母さんを愛してたの?

きっとその愛は誰にも理解できないほど大きいだろう。









A「……ヤミ団長」

ヤミ「なんだ。早くしろ、もう目の前なんだぞ」

A「……あるんです」

ヤミ「何が」









そしてその愛は、私にはないもの。

私よりも価値のあるもの。









A「方法が、あるんです………」

ヤミ「…方法?」

A「魔法を…発動させる、方法が………」












ユリウス、私は貴方が分からない

貴方の母さんへの愛が分からない

私には、分からない









A「……私の魔法は、所有者の…」

ヤミ「……」

A「…私の”血“があれば、発動できるんです……」

ヤミ「……そうか」









でもね、少しだけ分かるんだ。


だって貴方が私にくれたから。

ほんの少したけど

偽りだったけど



愛は温かかった。









A「……なんでですかね」

ヤミ「なにがだ」

A「……人の為が“偽り”になるのは、なんでですかね」

ヤミ「…さぁな」









あなたがくれた愛は、ほんの少し。

それでも温かかったのは、私と母さんを重ねてたから?

ね、ユリウス、貴方は私を見てくれた??

あぁ、なんで今更こんな感情が……。









A「……人の夢が“儚く”なるのは、なんでですかね」

ヤミ「さぁ、な」









ユリウス、私は死にたくない。

あなたがくれたこの命を、簡単に捨てたくない。





でも貴方は、それを望んではないのでしょう?




.

対価 その37→←対価 その35



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.9/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
25人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

闘乱雪(プロフ) - 感動しました!涙脆い私だけなんでしょうか?凄くウルっときたのは (2019年2月10日 12時) (レス) id: 7aa059542a (このIDを非表示/違反報告)
N.K(プロフ) - まるさん、御忠告とご注意ありがとうございます!初めて書いていてあまり理解ができていない部分があり、すみませんでした。この忠告のもと気を付けて書いていこうと思います。本当にすみませんでした。 (2018年12月30日 16時) (レス) id: c08585e31b (このIDを非表示/違反報告)
まる - ルールを理解せずに作られた違反作品が増え、占つが無法地帯だと言われる要因の一つにもなっています。ルールをちゃんと守りましょう (2018年12月30日 13時) (レス) id: c2cd8ec7e2 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご理解下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい、違反行為です。最初に編集画面の注意事項をちゃんと読まれましたか?そこら辺をちゃんとよく読み、ルールを理解の上作品を作るようにして下さい (2018年12月30日 13時) (レス) id: c2cd8ec7e2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:パパゴラス3世 | 作成日時:2018年12月29日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。