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対価 その11 ページ12

Aside

被害の少ない場所へと移動した私は、まずこの赤子をどこかに預けようと教会へ向かっていた。


コンコン


シスター「はい、なんでしょう」


とある教会へ辿り着き、扉を叩くと女性が出てきた。


この人がここの聖職者だろうか。


A「すみません、この子を預かって貰えないでしょうか」


シスター「なんだい、アンタの子かい?」


A「いえ、母親を無くして死にかけていたところを助けました。私では育てることができないので」


シスター「それはしょうがないね、分かったよ。あと、アンタ名前は?」


A「何故?」


シスター「この子が育った時に、ひろった人が誰か聞かれたら誤魔化しようがないんだよ」


A「そうですか。私は……………ア、アルです」


私は咄嗟に嘘をついてしまった。


何故か今自分の名を出したらいけないと思ったから。


シスター「アルだね。私はシスター・テレジア。この子に会いたくなったらいつでも来な」


そう言うとシスター・テレジアは教会の中へと姿を消した。


無事、育ってくれたらいいな。


A「大好きな母さんは消えたけど、どうかあの子の未来に幸があらんことを」


私のようにはなってほしくないから、そう願っておこう。


男「おいお前!!」


A「!嘘でしょ……………敵多すぎだよ」


なんでまた私は敵に殺られそうなんでしょうか。


魔法騎士団よ、炎もそうだけどまずは敵を消してくれ。


私もう痛いの嫌だよ。


A「鬱陶しい!“対価魔法 闇堕ち”」


男「!なんだ!?か、体が…動かない!」


A「あの子の未来に降りかかる厄災を差し出したんだ。死ななかったことを小さな赤子に感謝しな」


男「赤子だぁ??俺に何をした!」


ぎゃあぎゃあと騒がしいねぇ。


A「その口閉じなかったら……次は、無いよ」


男「クッ、なんだ、体が急に重くなってきて」


A「私は今ムシャクシャしてんの。お願いだからこれ以上ストレスを与えないでくれないかね?」


男「き、貴様ァァァァ!!!………………ガハッ 」


すると男の意識は完全に消えた。


A「私だって、殺したくなんてないんだよ……!」



自分の右腕を無意識的に掴む。


右腕には右手の甲かけて何重にも包帯が巻かれている。



……これが私がクズの証。


私の存在価値なんて、この包帯に隠れている醜い傷と、一緒なんだ。


…………………別の場所へ行こう。


ここにはもう、いたくないや。

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闘乱雪(プロフ) - 感動しました!涙脆い私だけなんでしょうか?凄くウルっときたのは (2019年2月10日 12時) (レス) id: 7aa059542a (このIDを非表示/違反報告)
N.K(プロフ) - まるさん、御忠告とご注意ありがとうございます!初めて書いていてあまり理解ができていない部分があり、すみませんでした。この忠告のもと気を付けて書いていこうと思います。本当にすみませんでした。 (2018年12月30日 16時) (レス) id: c08585e31b (このIDを非表示/違反報告)
まる - ルールを理解せずに作られた違反作品が増え、占つが無法地帯だと言われる要因の一つにもなっています。ルールをちゃんと守りましょう (2018年12月30日 13時) (レス) id: c2cd8ec7e2 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご理解下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい、違反行為です。最初に編集画面の注意事項をちゃんと読まれましたか?そこら辺をちゃんとよく読み、ルールを理解の上作品を作るようにして下さい (2018年12月30日 13時) (レス) id: c2cd8ec7e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:パパゴラス3世 | 作成日時:2018年12月29日 20時

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