【ブラッククローバー】 さぁ、取り引きを始めよう。

対価 その10 ページ11

Aside

あの男も私にそう言った。


可哀想だと。


私はあの男以上に嫌な奴はいない。


全てを見透かすような、不思議な力を持つ男。


アスタ「国を、誰かを助けるために見返りを求めるなんて。それでお前友達いるのかよ！！！」


A「友達??いるわけないでしょ、そんなもの」


仲間も家族も、私には無いし必要ない。


産みの親の顔なんて遠の昔に忘れた。





＿＿＿＿『この落ちた王族如きが!!』＿＿＿



＿＿＿＿『ごめんねA、ごめんね』＿＿



唯一覚えてるのは、何度も幼い私に謝る母親の姿だけ。



＿＿＿『魔法騎士団に来ないか??君ならきっと、輝ける！』＿＿＿




A「(クソッ変なものまで思い出して……)あぁもう、そんなことどうでもいい！！私に何を差し出す!?それ相応のものを差し出せ!!」


バネッサ「差し出すわけないでしょう！私たちが何とかしてみせるもの。貴方のような貧弱な考えの人間の力なんて、借りないわ！」


貧…弱か。


A「いいのそれで??後で後悔するハメになるかもしれないよ？」


ユノ「後悔??そんなもの、お前みたいな奴にするわけないだろ……！」


A「………そうかい」


それじゃあ私がここにいる意味もない。


私はまだ腕の中で眠っている赤子を抱えて歩き出した。

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