Affect086 ページ42
Aside
忍田さんから大体説明があった。今回予想されている大規模侵攻は、4年半前に起こったものよりも何倍かの威力がありそうだと。ボーダーとしては一般市民への被害はできるだけゼロにしたい、だが事前に市民にこのことを伝えて避難させるのは避ける。
パニックを防ぐためだ。
実際に明確な日にちが予想できない以上、その考えは妥当だ。なので侵攻が起こった日には迅速なボーダーの対応が求められる。そのための作戦会議を、今後数日に渡って練っていくというわけだ。
「どうしてこんな大事な会議に私が？」
話を訊いて、一番の疑問はそれだった。私は上層部でも何でもないし、迅さんのような未来視も持っていない。
「ああ、それは…」
「失礼します、三輪です」
しかし答えようとしてくれた忍田さんの声が、それによって遮られた。彼は部屋に入ってくると一礼して、「遅れてすみません」と謝罪する。三輪がこの手の会議に遅刻なんて珍しすぎるし、あとなんか身だしなみも疲れが漂って見える。第一どうして会議に三輪が…？
「三輪？体調は大丈夫なのか」
「はい、遅れながら参加させていただきます」
そして、三輪は私の隣しか席が空いていないのでそこに座った。
「体調悪かったの？」
「…関係ないだろう」
ひそひそと小声で三輪に話しかけてみると、いつものようなズバッと言い切る感じの勢いがなかったので、少し驚いた。なんだか元気もなさそうだ。
「では三輪も加わったので、議題をもう一度言うが…」
忍田さんが仕切り直して、三輪はそちらに目をやった。すかさず私は三輪とは反対の隣に座る林道さんに耳打ちする。
「え、三輪なんかあったの？」
「さあ？蒼也がさっき、先月の小競り合いで嵐山の奴が何か言ったらしいって言ってたけどな」
「ふーん、嵐山さんが…？」
先月の小競り合いとは、遊真の黒トリガー争奪戦のときのことだろう。私は出水に負けてベイルアウトしてしまったが、その頃嵐山さんと木虎は三輪と戦ってたはずだよな。じゃあその時に何か…？
「で、亜桜」
「っはい！」
「君をこの会議に読んだ理由は、」
忍田さんに名前を呼ばれて、ばっと私と林道さんは離れて正面を見た。今回ばかりは三輪から鋭い視線が来たような気がするが、そっちは見ないこととする。
「君のサイドエフェクトの力を、我々に貸してほしいと伝えるためだ」
「！」
それは、少しだけ、
『紗雪ちゃんのサイドエフェクトが結構欲しいんだ、だからどの未来の場合でも、紗雪ちゃんには1番先頭のチームに居てほしい』
2年前の、遠征のときに似ていた。
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亜桜(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！過去編の方の親友と高校の親友は別人になります;;表記がややこしかったですよね！修正しておきますね〜！！ (2020年6月9日 12時) (
レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - とても面白いです！過去編の親友の名前は高校の親友と同じ名前でいいんでしょうか？ (2020年6月8日 23時) (レス) id: b6ab3f2fc3 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - そるとさん» コメントありがとうございます！マイペース更新で申し訳ないです;;がんばります！ (2020年5月21日 23時) (レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - すごく面白かったです。更新されることがあったら楽しみに待ってます！ (2020年5月21日 19時) (レス) id: 6009fd27be (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - みっとんさん» ありがとうございます！がんばります〜！ (2020年2月8日 10時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2020年1月4日 1時
