Affect080 過去編�� ページ36
迅side
「失礼しますー」
会議室。おれはまた突然そこに訪れていた。
「何だ」
「今日はちょっとお話があって」
今は城戸さん一人しかいなかった。だから来たんだけど。
「亜桜Aちゃんのことで」
言うと、城戸さんがぴく、と瞼を動かした。
「あの子、ウチにくれませんか？」
城戸さんは驚いたのだろうか、イスに座ったままおれを見上げた。
「…亜桜は遠征で何を得た」
城戸さんは、確実にAちゃんがあの遠征で何かしらの情報を得たと思っている。けど内容を確信していないから訊き出せないし、管理下から外すこともしたくない。
「Aちゃんが遠征で得たものは……」
「多分、城戸さんがいま予想してるモノだと思いますよ」
言うと、城戸さんは驚いて、そのあとに、やっぱりかみたいな顔をした。勿論このことを喋ってしまった以上、城戸さんは余計にAちゃんの玉狛転属を許さないだろう。あのトリガーが城戸派から動くとボーダーのパワーバランスが変わる。
「それで、許可するわけがないことくらい分かっているだろう」
「まあね。でも、Aちゃんが玉狛に来たほうが、ボーダー全体にとって良い未来になると思うよ」
言うと、「どういうことだ」と城戸さんは尋ねる。
「あのトリガーの適合者は彼女だけだ。でも、このまま本部にいてもあの子は防衛隊員には復帰できない」
「何故そう言い切れる」
「おれのサイドエフェクトが、そう言ってるんだ」
決まり文句を言えば城戸さんは黙った。本当にAちゃんは、このまま本部にいても、戦うことができなくて防衛隊員ではいられなくなる。けどあのトリガーを持ってる以上辞められないから、また休暇という形に戻るだろう。今度は永久に。
城戸さんだってそれは望んでないはずだ。
「けど玉狛に転属させてくれたら、おれがあの子に訓練をつけるよ」
Aちゃんは、元太刀川隊のA級オールラウンダーだ。弧月でアタッカーランク2位まで上り詰めたことだってある。ボーダーにとって、必要な戦力であることに変わりはない。
「おれが、必ずあの子を斬れるようにする」
亜桜Aという戦力をボーダーから失うか、それとも玉狛に転属するがその戦力を取り戻すか。どちらでも選んでくれ、と言う趣旨の話を告げておれは会議室から出た。
まあ結果はみえてるけど。
玉狛に来れば戦力を取り戻せるどころか、さらに強くなった彼女を、ボーダーは手に入れることができるのだ。
.
そして後日、城戸さんはAちゃんの玉狛転属を認めてくれた。
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亜桜(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！過去編の方の親友と高校の親友は別人になります;;表記がややこしかったですよね！修正しておきますね〜！！ (2020年6月9日 12時) (
レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - とても面白いです！過去編の親友の名前は高校の親友と同じ名前でいいんでしょうか？ (2020年6月8日 23時) (レス) id: b6ab3f2fc3 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - そるとさん» コメントありがとうございます！マイペース更新で申し訳ないです;;がんばります！ (2020年5月21日 23時) (レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - すごく面白かったです。更新されることがあったら楽しみに待ってます！ (2020年5月21日 19時) (レス) id: 6009fd27be (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - みっとんさん» ありがとうございます！がんばります〜！ (2020年2月8日 10時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2020年1月4日 1時
