Affect078 過去編�� ページ34
迅side
「話したいことっていうのはまあそのトリガーの話なんだけど」
Aちゃんは、このトリガーのおかげで、あの遠征を生き延びることができた。しかし、このトリガーは本部に申請してないから、存在を明るみに出すことはできない。
「半年前君が入院してたときも少し話したけど……トリガーの能力についてちょっと考えがあって、それを訊いてほしいんだ」
「能力？」と彼女は単語をリピートする。「そ」とおれは頷いた。
「むこうでAちゃんがそのトリガーを使ったとき、サイドエフェクトは使えなかったんだよね？」
向こうでSEが使えなかったという話は、半年前に病院で彼女の口から訊いた。なので確認してみる。
「あー、はい。そうだったと思います。迅さんもですよね？」
「うん」
遠征。おれはAちゃんとは少し離れたところで戦っていたのだが、あるタイミングで突然サイドエフェクトが使えなくなった。それで不安になって彼女の元へ行くと、彼女が何故か生身で敵と対峙していた。
その時には、サイドエフェクトは元に戻っていた。
つまり、おれのSEが効かなくなってから生身のAちゃんの元へ駆けつけるまでの間に、サイドエフェクトに影響を及ぼす"何か"が作用していたということだ。
その後、気絶した彼女をおれが遠征艇まで運び、おれたちは帰還した。
その間一度もSEが効かなくなったことはなかった。ここから考えても、あの数分間のみに起こった"何か"が原因だと推測できる。
そこでおれが考えついた答えは。
「そのトリガーには、サイドエフェクトを無効化する能力があるのかもしれない」
「無効化、ですか」
Aちゃんが遠征で手にしたトリガー。それは通常のトリガーではない。そしてこういったトリガーには、大抵何かの能力がある。それが彼女のトリガーの場合は、"サイドエフェクトを無効化する"という能力なのではないかと思った。
Aちゃんがそのトリガーを起動するとその能力でサイドエフェクトが効かなくなり、そして彼女が生身に戻ると能力がオフになってサイドエフェクトが復活した。そう考えると筋が通る。
けど適用する範囲も何も分からないから、本当は本部に申請して調べたいものだ。
まあ、申請しないだろうけど。
Aちゃんにとってこのトリガーは親友の形見、手放したくないはずだし、何よりこのトリガーを得た経緯を本部に報告するのだって、思い出したくない過去を掘り返すようで嫌に決まっている。
……でも、おれは全部わかってた上で、Aちゃんをあの時遠征に連れて行ったんだけどね。
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亜桜(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！過去編の方の親友と高校の親友は別人になります;;表記がややこしかったですよね！修正しておきますね〜！！ (2020年6月9日 12時) (
レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - とても面白いです！過去編の親友の名前は高校の親友と同じ名前でいいんでしょうか？ (2020年6月8日 23時) (レス) id: b6ab3f2fc3 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - そるとさん» コメントありがとうございます！マイペース更新で申し訳ないです;;がんばります！ (2020年5月21日 23時) (レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - すごく面白かったです。更新されることがあったら楽しみに待ってます！ (2020年5月21日 19時) (レス) id: 6009fd27be (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - みっとんさん» ありがとうございます！がんばります〜！ (2020年2月8日 10時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2020年1月4日 1時
