Affect048 ページ4
Aside
放課後。
「あれ？まだ残ってんの？」
6限も随分前に終わり、クラスメイトはみんな教室から姿を消しているはず。しかし教室へ帰ってみればソイツがいた。
「おー、公欠長かったからプリントとか単位の話とか、色々な」
「あーね」
そう言ってカバンの中に荷物を詰める出水の隣の自分の席へ、私は歩いた。そして同じようにカバンに荷物を詰めていく。カーテンの隙間から夕日が差し込んでいた。
「お前の方こそなんで残ってんだよ」
「社会科準備室で6限サボってたらこんな時間に…」
「お前マジで馬鹿だろ」
6限は日本史だった。選択科目なので理系の出水とは違う授業。出水は物理だったかな。今日は担任が出張で
「なあ、今日ひま？」
「んー。バイトはない」
「どっか行こーぜ」
「えーまあいいけど」
太刀川隊を抜けたからって、私と出水の関係が悪くなることはなかった。外や家に遊びに行ったり、学校で馬鹿やったり。変わったことといえば、ランク戦をしなくなったことくらいだ。
.
「で先生がずっと愚痴ってたわけよ」
「最悪じゃん、物理とらなくてよかったー」
出水がスリッパを脱いで、自分のロッカーに入れる。私もその上にある自分のロッカーに同じそれを入れて、代わりにローファーを取り出す。出水は先に向こうへ歩いていった。
「、あれ。三輪じゃん」
「出水」
私も出水の方へ行こうとしたとき、その声が聞こえて思わず足を止めた。
「珍しいな、いつも早めに帰るだろう」
「公欠明けだから色々な。あと教室でAに会って…ってA？何突っ立ってんだよ」
私が一向に出水の方へ行かないので彼が私の名を呼んだ。三輪があからさまに嫌そうな声で「…亜桜がいるのか」。顔が見えなくてもしかめている表情が安易に想像できる。出水バカなんで呼んだんだよ。
「三輪って放課後残るタイプだっけ」
「…今日は委員会だっただけだ。帰る」
出水の「ちょ、おい」も訊かずに三輪はロッカーから消えていった。はあ、とため息が自然と出た。
「お前ら仲直りしねーの？」
「する気がないのは三輪でしょ」
「お前はどうしたいんだよ」
昨日あんなふうに戦り合ったのに、あの時は三輪の味方だったのに、今の出水はどっちかっていうと私の味方だ。前はもっとシンプルにずっと味方だったのに、今は仕事と私事で完全にリセットしなければならない。
有難くて、それでいて呪縛のような。
私が太刀川隊をやめてから、こうなってしまった関係。
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亜桜(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！過去編の方の親友と高校の親友は別人になります;;表記がややこしかったですよね！修正しておきますね〜！！ (2020年6月9日 12時) (
レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - とても面白いです！過去編の親友の名前は高校の親友と同じ名前でいいんでしょうか？ (2020年6月8日 23時) (レス) id: b6ab3f2fc3 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - そるとさん» コメントありがとうございます！マイペース更新で申し訳ないです;;がんばります！ (2020年5月21日 23時) (レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - すごく面白かったです。更新されることがあったら楽しみに待ってます！ (2020年5月21日 19時) (レス) id: 6009fd27be (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - みっとんさん» ありがとうございます！がんばります〜！ (2020年2月8日 10時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2020年1月4日 1時
