Affect"46.5" 過去編 ページ2
Aside
1年半ほど前の話をしてもいいだろうか。
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高校1年、もうすぐ高校生初めての夏休み。
入学式のことはよく覚えてる。久しぶりに会った出水が同じクラス、春休み中に一緒に宿題をやった米屋が隣のクラス、基地以外で初めて会う三輪がそのさらに隣のクラス。隊服を着てないみんなと、しかも学校で会うことに何となく違和感があった。
これからはこれが普通になるんだな、と感じた。
在校生との対面式では迅さんの姿があった。あとカゲ先輩とか、柚宇さんとかもいた。今ボーダー休んでるくせにボーダー推薦でここ入ったの、なんか変だな。こんなことになるなら、普通の高校にしたほうがよかったかも…なんて考えていたな。
「弾バカー、今日任務？」
「誰が弾バカだ槍バカ。あと今日は非番」
「おっ！じゃあランク戦しよーぜ」
「またかよ」
放課後、教室に米屋が入ってきて廊下側の席の出水に話しかけた。私は窓際の一番後なので、遠くからそれを訊く。ボーダーを休んでからもうすぐ半年ほど経つので、ランク戦とかのワードが違う世界の言葉のような気がした。
「お、亜桜じゃん。今日もバイト？」
「うん。あそーいえば米屋期末何欠に抑えた？」
「8〜」
「っしゃ勝った」
「いやお前らの争い低レベルすぎるだろ」
教室から出ようとすると米屋が話しかけてきたので、私は丁度この間終わった期末テストの結果を尋ねた。米屋は安定にやばいのでガッツポーズをすると、私よりも頭が良い出水が皮肉を言う。
「言っとくけど4欠の私と米屋とじゃ比べ物にならないからね」
「欠点とか取っても1個だろ」
「現文欠ってる奴日本人じゃないから偉そうにしないで」
「お前な！」
出水は賢いわけじゃないけど現代文以外は基本欠点は取らない。高得点は理系科目だけで、あとの科目は平均くらいだ。
「じゃ、そろそろバイト行くね」
「おー、じゃあな」
「バイバーイ」
私が言うと出水と米屋がそれぞれそう言った。
これが、最近の日常。ボーダーを休んだことでどう関わればいいのか分からなかった私に、みんな普通に接してくれた。だから特に気まずくなるようなこともなく、普通に友達で有り続けている。
普通の、高校生の友達になったんだ、私達は。
会話はいつも世間話、テストの話、友達の話、先生の話…。私達の会話から、ボーダーの話題だけが消えた。普通という名の呪縛のような気がした。触れてはいけない暗黙の了解ができてしまった。
「……あいつ、やっぱちょっと変わったよな」
「まあ、しゃーねーだろ」
二人の声を、訊かなかったふりをした。
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亜桜(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！過去編の方の親友と高校の親友は別人になります;;表記がややこしかったですよね！修正しておきますね〜！！ (2020年6月9日 12時) (
レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - とても面白いです！過去編の親友の名前は高校の親友と同じ名前でいいんでしょうか？ (2020年6月8日 23時) (レス) id: b6ab3f2fc3 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - そるとさん» コメントありがとうございます！マイペース更新で申し訳ないです;;がんばります！ (2020年5月21日 23時) (レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - すごく面白かったです。更新されることがあったら楽しみに待ってます！ (2020年5月21日 19時) (レス) id: 6009fd27be (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - みっとんさん» ありがとうございます！がんばります〜！ (2020年2月8日 10時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2020年1月4日 1時
