100second ページ9
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「んな仰々しいもんじゃない。ただ平和の象徴を殺したかった
やりたいからやった、同調した連中が勝手に暴れ回ってくれてるだけさ。
…事実、向かってきたイレイザーにしか直接手を下していないだろ？」
ヘラヘラと軽口を叩く男の言葉はまるで根無し草のよう。
聞いたところで真意は見えないし意味もないものだと即座に悟った。
理解し合おうなどと思った訳では無い。
だが、それでも子どものようなその単純な動機に反して
多くの敵を駒のように俯瞰しつつ、ここまで追い込んできたという事実が
このチグハグとした発展途上のような曖昧さが興味が湧いた。
相入れ無い思想と立場でありながら目を引く、興味を湧かせた
そういう意味では彼は緑谷くんと同量の不可思議さを持ち合わせていた。
目を奪われる。嫌悪とともに関心が高まっていく。
背後にいる３人と消太さんの存在が思考が囚われることを防いでくれているが
鈍く光る赤い瞳から目を逸らしては行けない気がして、じっと見つめてしまった。
私のその視線に多少の不快感を覚えたのか
男は少しだけ、口をへの字に曲げ、子どものようにムスくれた。
どういう意図を含めたものなのか
私には皆目見当もつかないが彼はそのままため息を一つ。
「…で？ヒーロー予備軍のお前が今、この状況で何をしてくれるわけ？
雄英生なんだろ？頭いいんだろ？…なら、わかるだろ？
今この場においてお前ができることは何もないってことぐらいさァ。」
数秒前のため息はいったい何だったのか、コロコロと表情を変えていく。
今度は心からの嘲り、楽しげに私を馬鹿にしていく。
別にこいつに小ばかにされた所で、悲しくもないし、あまり腹立たしくもない
私自身の感性があまり起伏が激しくないことに加え
そんなことよりもずっとずっと腹立たしいを通り越した怨嗟がある。
そう思いながら一瞬、静香に視線を後ろに向けた。
私のその行為に気付いたのか、気付かず話を続けたのかも分からないが
男の話の内容が明確に私の思考の「核」と合致していた。
「お前が怒ってんのがその教師の為ならば他は捨て置けばいい。
俺はオールマイトに嫌がらせがしたいんだ
その男は正直どうでもいい
邪魔さえしてくれなければどこにでも持っていけばいい。」
それは暗に「３人を差し出せ、そうすれば消太さんは助かる」と言っていた。
明確に、明瞭に一瞬でも死を肌で感じた彼らも
しっかり、意味をくみ取れたようで、顔色が更に悪くなっていた。
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睡-ｽｲ-(プロフ) - カナデさん» ありがとうございます。夢主の性格に合わせてなるべく繊細に、熟考した様子を描ける様に心がけているので感想とても嬉しいです。明日(本日)2話あげる予定なので楽しんで頂けたら幸いです。 (2022年11月10日 1時) (
レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - やった！！更新だ！！！ありがとうございます！！五臓六腑に染み渡る…睡さんの書く話は心理描写が細かくて…あと日本語が綺麗（？）です。これからも応援してます！ (2022年11月8日 14時) (レス) @page43 id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
麗紅花(プロフ) - はじめまして。最初から読ませてもらいました！とても楽しくて面白かったと思いました。特に夢主のおっしゃる事や性格、個性、シリアス感がと出ていて読むのが楽しかったです。更新頑張ってください！！応援しています。 (2020年9月14日 1時) (レス) id: b338802f9d (このIDを非表示/違反報告)
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