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ジッと彼を見つめながら黙考していると
仲裁に入るように、轟さんに声をかけた切島さん。
しかし彼は手を振り払い、緑谷くんらに背を向けて歩き出した。
ピりつく姿は、入学して間もない時の爆豪さんを思い出させる。
本来ならばもっと余裕を持っていいはずの彼らが
なぜ緑谷くんを前にしてああも余裕のなさげな様子を見せるのか…。
そして…
「轟くんが何を思って僕に勝つって言ってんのかは分かんないけど…
そりゃ君の方が上だよ。実力なんて大半の人に敵わないと思う。客観的に見ても」
「でも」
切島さんが「緑谷もそういうネガティブなこと言わないほうが」と言葉をかけるが
私の着席していた席の真隣だったのもあり
私は彼の腕のギュッと掴み、少しだけクンッと引き寄せて制止した。
切島さんの驚いたような
彼を止める私に否定的なような声音で私の名を呼びかけたのが聞こえたが
私は彼の顔を見ることなく座ったままの私からは少し高い位置にある
緑谷くんの表情をただただジィ…ッと見つめ続けた。
切島さんも、私のその様子に気付いて声をかけきれなかったのだろう。
…そう、これだ。
彼の、いつもの突然の「これ」
豹変、というと少し違うが、それに近い。
唐突に、こうやって君は輝く。
君の目はいつも彷徨いがちで、自信無さげで不安定。
なのに、君は何を経てそうなるのか分からないけれど、ふとした瞬間に
スイッチが切り替わったように、前を向くんだ。
君がまっすぐ前を見据えた時、その時に見せるその表情が
私には輝いているように…瞳が大きな照明の光を集めたように輝いて見える。
「皆、他の科の人も本気でトップを狙ってるんだ
僕だって…遅れを取るわけにはいかないんだ。＿僕も本気で獲りに行く」
私はその目が、君のその芯の通った強さが
羨ましくて、少し妬ましくて、それでいて泣きたくなる
強い興味をそそられると同時に心臓が強く脈打つ気がして
お前も生きていると心臓が訴え
自分が目指すものの愚かさを痛感して、泣きたくなる。
かっこいいね、緑谷くん。
君のそういうトコを見せられて、気分は落ちるが脈拍は上がる
そう思うと、彼に負けたくないな、思う気持ちは
動機や背景は違うのかもしれないが、少しだけ分かる気がした。
テンションがある…というわけではないが
悔しくて、妬ましいとかの負の感情が自分を奮い立たせるものになる。
ヤケクソ…に近いのかもしれないが
向上心、という良い言い方に変えておこう。
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睡-ｽｲ-(プロフ) - カナデさん» ありがとうございます。夢主の性格に合わせてなるべく繊細に、熟考した様子を描ける様に心がけているので感想とても嬉しいです。明日(本日)2話あげる予定なので楽しんで頂けたら幸いです。 (2022年11月10日 1時) (
レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - やった！！更新だ！！！ありがとうございます！！五臓六腑に染み渡る…睡さんの書く話は心理描写が細かくて…あと日本語が綺麗（？）です。これからも応援してます！ (2022年11月8日 14時) (レス) @page43 id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
麗紅花(プロフ) - はじめまして。最初から読ませてもらいました！とても楽しくて面白かったと思いました。特に夢主のおっしゃる事や性格、個性、シリアス感がと出ていて読むのが楽しかったです。更新頑張ってください！！応援しています。 (2020年9月14日 1時) (レス) id: b338802f9d (このIDを非表示/違反報告)
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