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左隣から影が消え、風圧に近いような煽りを食らう。
オールマイトの動きを察知し、走り出し振るわれたその腕を掠めるように触れる
砂時計を出現させれば一瞬、ついに視界が真っ暗になった。
ほんの一時であったのが不幸中の幸い
瞬き一つの直ぐあとには色は濁っているものの、戻り始めた。
が、物と物の境界線…輪郭が滲み始めてる。
それでもオフィリスを広げ、オールマイトの時の速度を押し上げる。
あともう１つ。もう１つ砂時計を出したい。
ガンガン…頭、痛い。
ここまで時間を乱用したのは初めてで
これが本能的な、潜在的危機意識が警告を鳴らしているのは分かっていた。
でも今私ができるのはこれだけ。そこで手を抜くのは違うだろう。
無理やり出現させた砂時計。
クルリとひっくり返せば爆豪さんを押し出すあの人の脇腹の「赤」が消える。
…同時に、私の世界から音が絶えた。
ぷつりと消えた音、数秒してジワジワまた再開されるも
水中から音を拾うようにボンヤリとしていて、聞き取りにくい。
これだけ自分の状態を悪化させてまで
これが必要なことだったのか、無くても良かったものなのかは分からない。
ただ、あの人のパフォーマンスは可能な限り高い状態が好ましい。
それくらい今の現状が緊迫していて、危ない、綱渡りのような状況なのは分かる。
…なら手をこまねいているより、何かしないと、と思った。
押し出され、こちらに飛ばされた爆豪さんの首元へ腕を伸ばし引き寄せた。
「かっちゃ…！…かっちゃん！？」
「…ッに、すんだよ」
「過来！？」
こちらに視線を向けていない緑谷くんが
つい今しがたまで爆豪さんが居た場所めがけて
何かを叫ぶように放つが、自分の少し後ろ、私の横の彼に気付いて驚愕する。
対してその爆豪さんは呆気に取られたままなのか
額に汗を伝わせたまま私を睨みながら悪態をついている気がする。
きっと前から押し出され、今私が後方でその体を支えていることから
彼は私が助けた張本人でないことは分かっているはず
…それでも悪態をつかれるのは何故なんだろう、納得いかない…。
私は彼らに視線を向けず、継続してオールマイトの方の状況に目を凝らす。
爆豪さんの代わりに敵の攻撃を受け止めたオールマイトが
肩を上下させ、口が動かしているが自分の状態もあり何を言っているのか分からない。
ただ、オールマイトの視線の先で手を付けた敵の赤い目が
指の隙間で濁った色の世界で唯一光り
背筋が凍りそうな狂気を帯びて笑っているのが見えた。
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睡-ｽｲ-(プロフ) - カナデさん» ありがとうございます。夢主の性格に合わせてなるべく繊細に、熟考した様子を描ける様に心がけているので感想とても嬉しいです。明日(本日)2話あげる予定なので楽しんで頂けたら幸いです。 (2022年11月10日 1時) (
レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - やった！！更新だ！！！ありがとうございます！！五臓六腑に染み渡る…睡さんの書く話は心理描写が細かくて…あと日本語が綺麗（？）です。これからも応援してます！ (2022年11月8日 14時) (レス) @page43 id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
麗紅花(プロフ) - はじめまして。最初から読ませてもらいました！とても楽しくて面白かったと思いました。特に夢主のおっしゃる事や性格、個性、シリアス感がと出ていて読むのが楽しかったです。更新頑張ってください！！応援しています。 (2020年9月14日 1時) (レス) id: b338802f9d (このIDを非表示/違反報告)
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