104second＿＿Ｍ ページ13
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「担任の相澤消太だ、よろしくね」
二人の関係性が段々と明確に見えてきて
敵に向かって飛び出していった相澤先生の後姿を心配そうに見つめていたのも
あの場の誰よりも相澤先生をよく知っていたからだと納得できた。
つい今しがた、僕らの前に、敵の前に立ち塞がってくれたのも
ただの「生徒と先生」という関係だけではなく
守るべき大切な人…ある種の「愛する人の為」であったのだろう。
しかし、その一言で片づけるには軽いように感じた。
もっと…、僕には傷付いた先生の…家族のため以上の何かを。
もっと痛烈で鮮明な何かを彼女は感じとっていたようにも見えた。
「！ Aちゃん」
彼女の後姿を見ながらそんなことを考えていれば
蛙水さんが過来さんの名前を呼んでいた。
当の本人は少し強めに名前を呼ばれ、少し肩を揺らしてからそちらを向く。
蛙水さんが眉尻を下げてトントンと自身の口角を叩いている。
その動作を見て、過来さんは真似るように自身の口角に拳を擦った。
すると、彼女の拳まで続くアームカバーに印刷された
時計を連想させるような淡い色の歯車は鈍い赤い液に塗り潰されていた。
「過来さん…！？」
峰「お、おい、お前いい加減無茶するのやめろよ…
本当に死んじまいそうでオイラの方が変に焦ってきたじゃねぇか！」
生々しく、人の「死」を連想させるその赤い液を見て
その「赤」とは対照的に顔を青くさせる峰田くんと蛙水さん。
当たり前だ。
僕たちは確かにヒーローを目指しているが
そこへ続く道のスタートラインに立っただけの学生で
血も、戦いも全然慣れたものではない。
この場で唯一彼女はそれに狼狽えず、冷静に対応できた。
…異常な程までに冷静だった。
彼女は静かな声音で答える。
『…絶賛、無茶しかねないのは私じゃないと思うけどね。』
そう言葉にした彼女はチラリと、確実にその視線を僕に向けていた。
僕自身、思い当たる節があった。
後ろめたい秘め事ではないけど、隠した不安を見透かされたようで
ドキリ、と胸の奥が大きく跳ねた。
過来さんは、本当によく人を見ている人だな…。
それに加えて僕もわかりやすいんだろうか？
『そうでしょ？』
確信を確認するように少しだけ鋭くなった視線が僕を射抜いて
まるで釘を刺すような言葉に無意識下で彼女から視線を背けていた。
「…はぁ。」
直後、分かりやすい溜息が聞こえた。
それが誰のものなのかは、視線を背けたままでも分かった。
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睡-ｽｲ-(プロフ) - カナデさん» ありがとうございます。夢主の性格に合わせてなるべく繊細に、熟考した様子を描ける様に心がけているので感想とても嬉しいです。明日(本日)2話あげる予定なので楽しんで頂けたら幸いです。 (2022年11月10日 1時) (
レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - やった！！更新だ！！！ありがとうございます！！五臓六腑に染み渡る…睡さんの書く話は心理描写が細かくて…あと日本語が綺麗（？）です。これからも応援してます！ (2022年11月8日 14時) (レス) @page43 id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
麗紅花(プロフ) - はじめまして。最初から読ませてもらいました！とても楽しくて面白かったと思いました。特に夢主のおっしゃる事や性格、個性、シリアス感がと出ていて読むのが楽しかったです。更新頑張ってください！！応援しています。 (2020年9月14日 1時) (レス) id: b338802f9d (このIDを非表示/違反報告)
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