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思わず固唾を呑み、喉が小さく鳴る。
息詰まりそうな感覚に無意識に喉元を利き手でギュッと掴む。
首に巻かれた包帯越しに肌に爪が喰い込むことにも気付かず
強張る体の内側に溜まっていく力みを外に押し出そうと強く強く握った。
そんなことで息苦しさが解消されるはずもなく
犬のよう、とはまた違う気もするが「は…っ、はっ」と荒い息が零れる
久しぶりに、「やばいのでは」と思ってしまった。
ひとまず波から抜け出したい。
これじゃあ対策ひとつ取れやしない。
眩む視界に映った人波の死角、とも取れる位置を目指して
波に抗い進むが途中、誰かに足を踏まれてしまい壁に向かって転倒しかけ
踏んだ人を多少恨めしく思いつつ振り返る。
揉みくちゃになっている人の波を眺め見ると
また一層ゾワゾワして、暑いはずなのにヒュッと冷えるような感覚になる。
ガラス張りの壁に追い込まれてもなお人の波は荒ぶり続けるので
入試の時の上鳴さんとの事故を思い起こさせるような
膝カックンを食らい、その場で体勢を崩し、しゃがみ込んでしまう。
何でこうも忘れたいことを思い出しやすいアングルに至ってしまうのか。
低くなった視界では周りの同世代の人たちが大きく見えて
まるで大人に囲まれ、私は幼く年齢が後退したような感覚に陥る。
『…ｯあ…、ふ…』
か細くなっていた呼吸が遂に詰まった。息ができない。
こんなの初めてじゃない、けど久しくなっていなかった症状に
一層不安感を煽られてしまう、悪循環に比例するように息苦しさも悪化していく。
こうやって考える余裕がある分、まだマシとも言える。
何とか対策を取らねばと、震える手で
ポケットを
動揺しているのは変えようもない事実で
薬を取り出すだけでも苦労する、指先に当たるのに挟めない。
モタモタやっていたら「ぅお、」という短い声が聞こえ
私がしゃがみながら凭れ掛かるガラスの壁にドンッ、と衝撃が走る。
普段ならさほど驚かないが今は状況がこんな感じなので肩を揺らしてしまう
目の前に押し出されるように人の足が出てきたので
誰かが波に押しのけられ、よろけたのだという事は一応分かった
視線をもち上げれば自分の真上に影ができていた。
それは、私の上で壁に両手を付き、きっと意図せず
結果的に私が人の波と接触しないよう、バリケードになっている
「悪ぃ」
相手は…クラスにいた氷と熱？の個性の紅白髪の人
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睡-ｽｲ-(プロフ) - あるとさん» わわっ、ありがとうございます！！アニメに居そうなキャラクターにしたい一方で固まったビジュアルをキープするのが作者として楽しくも難しく…。大人になりたくとも成長できずにいる彼女を好いてくだされば作者冥利につきます！ (2020年7月9日 17時) (
レス) id: deb52841c7 (このIDを非表示/違反報告)
あると(プロフ) - 書きたいことはまとまっていませんが書きます。主人公の冷静さ。冷めているようで好奇心はしっかりとある。年相応……とは言えずとも、どこか冷酷になりきれない。そんなキャラクター性に興味を惹かれました。今後の物語の展開を楽しみにしています。 (2020年7月9日 11時) (レス) id: ac43156437 (このIDを非表示/違反報告)
睡-ｽｲ-(プロフ) - いたちょこさん» お返事が大幅に遅れてしまい申し訳ありません。主人公の内面が良く伝わっているのであれば書いている甲斐があります。じわじわと更新する形になるでしょうがよろしくお願いいたします。 (2020年5月14日 18時) (レス) id: 4d796a00d6 (このIDを非表示/違反報告)
いたちょこ(プロフ) - とても面白くて大好きです！主人公の気持ちが凄く伝わってきます。こういう書き方は尊敬しかないです。素晴らしい作品を読ませて頂き、有難う御座いました。これからも頑張って下さい！ (2020年3月1日 20時) (レス) id: 3485aa3116 (このIDを非表示/違反報告)
睡-ｽｲ-(プロフ) - カナデさん» 評価を作品の完結後にやりたい、という話も耳にしますがその場合章ごとの評価はされないのか…とか思ってしまうんですよね…。それか評価でなくてもコメントでここはこうで良かった、こうの方向での話も見たかったなどが聞きたくて…カナデ様の言葉すごく嬉しかったです (2020年3月1日 17時) (レス) id: 3400204ee2 (このIDを非表示/違反報告)
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