23second ページ25
.
「それで、何か用でも？」
緑「え？用…。用は…これと言ってないんだけど…」
柔らかい笑顔と一緒に挨拶をしてくれた彼は
耳を少し赤くしてニコニコしたまま、私の会釈を見た
ただのクラスメイトにわざわざ挨拶してくるくらいだ。
なにか用があるんだろうと踏んだが
緑谷くんは話を進める様子はなくて私の頭には疑問符だらけ
痺れを切らす、とまでは行かないが彼の行動がイマイチ理解出来ず聞いてみたが
緑谷くんはエヘヘと恥ずかしげに笑い、頬をかいて用は無いと言う
…ならなんで声なんてかけるんだろ？
別に挨拶は「一般常識、一般教養」という意味ではやって当たり前
でも学校とかで挨拶するのは友人とかと
会話の前のワンクッションみたいなもの…だと思ってる
私と彼は友人？…いや、ないだろ
昨日の１件のせいで巻き込まれた組、みたいなそんな感じであって…
言い方にトゲがあるとは思うけど
「偶然同じ地域に住んで、偶然同じ中学校の学区内で、偶然同い年で、偶然同じクラス」
もろもろの偶然と偶然が何個か掛け合わさっただけ
この挨拶に必要性が見いだせないが…
まぁ…彼の中ではその挨拶は無意味ではない、ということだろう
彼が納得しているなら迷惑でもなんでもないし構わないけど
「あぁ、それなら私から１つ。昨日は大丈夫だった？」
善意とかそういうのではなく、せっかく興味を抱いた対象なのに
何か不都合が起きたり、何か心変わりしてしまったりでは今後の面白みが欠ける
そういう、自分本意な都合での心配
そんなんでヒーローを目指すなんて歪んでるとは思うが本音なので仕方ない
緑「うん…うん！？え、昨日のって…」
「商店街で色々あったでしょ？君」
そりゃ、別れたあとなのに知ってたらビックリするのも当然か
一方的に物陰から見えていただけ。接触もしていないし
見ていたこと、見るに至るまでの経緯を話すと「なるほど」と納得していた。
緑谷くんだけでなく爆豪さんも大きな怪我とかはなく
むしろ助けようとした事にイチャモンをつけられたとか。
緑「それでその後…。」
「？」
緑「その後帰ったんだけど！へ、ヘトヘトだったなぁ！！て！！」
あからさまに何かを誤魔化された「その後」とやらが凄く気にはなる
が、きっとこれに関しちゃ
本人は黙秘、爆豪さんは知らないだろうし話す気は無いし…
忘れ切れもしないが彼が話す気がないなら詮索する気にもならず…
ただ、彼の表情は晴れやかだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 320人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
チョコ&ピーナッツ(プロフ) - うわわわ…！！紹介して頂き本当にありがとうございます！！私もこちらの作品が大好きです！！もう睡様には頭が上がりませんね…！イラストもお上手で小説も面白い…！！尊敬します！！更新頑張って下さい！！ (2019年4月27日 18時) (
レス) id: 131b6cb561 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
