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「かっちゃん」と叫ぶように
“被害者”の名前を呼ぶ姿はへっぴり腰で、なんとも弱々しい
でも確かに今、この場において彼は唯一“ヒーロー”だった
世間的な感覚では“
愚行であり自滅行為に等しい
ヒーローとは縁もないイカレ野郎と言っても良いくらいなものだろう
でも、私にとっては“私にとってのヒーロー”だったものに誰よりも近い
それが正しいものだったのか未だに分からないが
“私のヒーロー”と同じ行為をする彼を見て柄にもなく胸が熱くなった
その時、濁った醜い声が「潰れちまえ！！」と声を荒らげた
その言葉と同時に振り上げられたヘドロの汚らしい腕は緑谷くんを捉えている
脇から見ていた限り流動的で掴めないはずの敵は
物を破壊したりする際は打撃を与えている
どういう性質をしているのか分からないが、確実に緑谷くんはタダでは済まない
功労者にも、誰かのヒーローにもなる気はなくて面倒事は大嫌い
何より目立ってまた追い回されるのは面倒どころか未だに恐怖心が根付いてる
それでも、目の前で知人が襲われるところを眺めるほど
残忍で冷徹な心も持ち合わせていなかった。
振り上げられた腕に自身のことでもないのに背筋がゾワリとしたし
「その腕を止めなくては」
と…思わず足が動いて路地裏から飛び出しそうにもなった
でも実践も積んでいない
どこにでも居るような中学生が無防備に突っ込んだら緑谷くんと同じ。
無意味なリスクだ。
だから所持している“ある植物の種”を取り出した。
さっきから緑谷くんが爆豪さんを引き抜こうと
流動物質を掻き出しているにもかかわらず痛みを感じていない様子
きっと異形化している状態では千切れようと
本来の姿…人体には、なんら影響が無いのだろう。
…少し作戦が過激な気もするが、種を腕の中に投げ込んで種の時を操作して
植物が腕を中から引き千切るように、切り落とすように中から開花して一撃を凌ぐ。
種は香り玉を入れるような、小さな小瓶のストラップに入れてバッグに付いている
キュポン、と瓶のコルク性の蓋を取って
中の種を取り出し、急いで敵の振り上げたヘドロの腕に投げ込む
つもりだった、が
瞬きの一瞬で騒ぎの中心にある人物が介入
その人物を知らない人間は今や居ないのではないだろうか
「…オール、マイト」
私が呟くのとほぼ同時に
緑谷くんと爆豪さんの手をしっかり握り、もう一方の手を振りかぶった
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チョコ&ピーナッツ(プロフ) - うわわわ…！！紹介して頂き本当にありがとうございます！！私もこちらの作品が大好きです！！もう睡様には頭が上がりませんね…！イラストもお上手で小説も面白い…！！尊敬します！！更新頑張って下さい！！ (2019年4月27日 18時) (
レス) id: 131b6cb561 (このIDを非表示/違反報告)
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