【w/r/w/r/d】ツァラトゥストラはかく語れり (ページ3)

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「い゛やあ゛あああ゛ああああああ゛あ゛ああ゛あああああ゛あああ」

愛おしい妹が口から血を流して崩れ落ちる。

枯れた悲鳴をあげてもがき苦しむ。

その様子を見て、俺は笑う。

「何故、何故なの…？こんなにも愛しているのに」

「良くお聞き、お姫様。何時であっても物語の番狂わせは悲劇を招く。それなら…

物語を殺せば良い

恋の味を痛烈に味わいたいならば、それは片思いか失恋する以外に(十月十日母の胎で見る悪夢は美しく)ないんやから。そうだろう？お姫様？」

「はぁっ…はぁっ…は…っ…おにいさま ………」

Aが息絶えたのを見届けると、俺は懐からナイフを取り出し、自らの五臓の要に突き刺した。

「胎児は母の胎で万有進化の悪夢を見るという…そして心中した恋人達は双子として生を享ける。だとしたら俺はAと同じ夢を再び見るのだろう。そうだ…それならば良い。」

人間であれば誰しもあおりたくなる毒があるのだから

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誰も彼もが消えた館で小人は呟く。

「心中した恋人同士は来世双子として産まれてくるという…だがお前らの逝く末は母の胎の中から交わって生まれ来る男と女。人の形すらしていないかもしれん。常夜に雲なき鏡無し。何れ實(じつ)にて虚ろなるか、はたまた萬象森羅(ばんぞうしんら)悉く、一夜の芸居(しばい)狂言に非ざるか答ること能はざるなり也。いつだって物語の最後は…」

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※この小説は両面開きのお話です。前から読むのと後ろから読むのとで話が違っています。