265話*バフ持ちヒーラー(対鬼専用) ページ45
それにしても……
私は隣で走る悲鳴嶼さんをちらりと盗み見る。
私は今まで幾度も戦場に赴くのを止められ、前線に出てしまうたびにしのぶさんにこれでもかというほど叱られてきた。
なのに、私が「前線にでるか?(超意訳)」って言われる日が来るなんて。
……それほど、この零藤の血が抱えるものは鬼殺隊にとって重要なのかな。
「A、壱はこの先だ。もう数歩私から離れていなさい……それから、恐らく壱は君に攻撃しない」
『了解です!』
上弦の壱とかいう十二鬼月のカーストトップの鬼ですら私をアイツのところに連れて行こうとするわけね。
確かにRPGでもバフ持ちとヒーラーは重宝されるけども。
「……A」
『はい、何ですか?』
うわ、背後にあった襖がいきなり閉まった。
なんかこの場所自体が生きてるみたいで怖いな。
「君の兄と鬼の始祖は同じ姿をしているのか」
『!』
そう言われ、脳裏に浮かぶのはいつも私に嫌味を言い、口うるさい兄ちゃんの姿。
やっぱりその姿はアイツと哀しいほど瓜二つだった。
『ええ、本当に……顔も髪も目の色も、声さえも全て兄ちゃんと同じです』
そう、本当に何もかも同じ。だけど、
『けど、私の兄ちゃんはもっともっと意地悪だから。アイツとは全然違います……私の兄はA晴夜ただ一人です』
「……そうか、」
頷きながらもちらりと悲鳴嶼さんの顔を盗み見る。
今この人が一瞬、凄く悲しそうな顔をしたように見えたのは気の所為だろうか。
「!A、聞こえたな?」
『はい!』
と、感傷に浸っている暇はないみたいだ。
不死川さんの声が聞こえた。技をくり出しているようだから恐らく交戦中。
この先に上弦の壱がいるんだ……!
それからちょっと走り、少し開けたところに不死川さんと多分上弦の壱、それから……
『!』
血溜まりの中で横たわる玄弥と、柱に打ち付けられた無一郎を視認した。
思わず足に込める力が弱まり、速度が落ちる。
吐いてしまいそうになるのを必死で堪えた。
しかしそんな私に反して悲鳴嶼さんはぐんぐん速度を上げ、上弦の壱に技をくり出す。
うぅ、やっぱり凄い。
「次々と……降って湧く……」
そう零したのは上弦の壱か。うわ目が六つもある。
顔立ちはなんか刀鍛冶の里で見たからくり人形に似ている気がする。いやあの人形に目は六つなかったけども。
266話*ドライアイになったら大変そう→←264話*話の展開めちゃ速くて申し訳ない
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天弥(プロフ) - 紅鮭@さぶさん» 有難う御座います!! (2022年6月7日 23時) (レス) id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭@さぶ(プロフ) - 天弥さん» お返事遅れちゃってごめんなさい!もちろんですよ〜!!お友達申請しておきますね٩(ˊᗜˋ*)و (2022年6月7日 22時) (レス) @page6 id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
天弥(プロフ) - 今231話までを見て思ったことを言います。………主様、知り合いになって頂けませんか?((( (2022年6月6日 11時) (レス) @page6 id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» 人には塩対応されるけど鬼には愛され(笑)る系女子、それが零藤ですので!これからも霹靂一閃並のスピードで進んで行きますのでよろしくです(´∀`*) (2021年7月25日 6時) (レス) id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 数年ぶりにあった初孫…じわじわきました(笑)黒死牟さんがお祖父ちゃんなら、上弦の三と二は親戚の叔父さんとか従兄弟とかですかねぇ。展開にワクワクしてきました。続きが気になりますっ!…というか不死川さんって…… (2021年7月24日 13時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
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