検索窓
今日:34 hit、昨日:16 hit、合計:33,465 hit

259話**不死川実弥は独り願う ページ39

**No side**


風柱・不死川実弥は叫びだしそうになるのを必死に堪えながら、遠ざかるAAの背中を見送った。
Aを追おうとする数多の魑魅魍魎を斬りつけながら思い出すのは、Aと話した日々のことだ。



悲しいほど真っ直ぐで人間らしい少女だ。きっと親に暴力を振るわれることも、友に侮蔑の視線を向けられることもなく育ったんだろう。

だからこそ、心が痛む。




────なァA、お前が自分の名前のように名乗る【零藤】。その意味を知っているか?


それは蔑称なんだ。
お前は知らないだろうが俺達鬼殺隊は蔑称でお前を呼んでるんだよ。

幾千もの藤の花(鬼の弱点)を零と等しくするまでの力を持つ一族。誰が名付けたかは知らねェが、本当に的を得ているもんだ。


本当にどうしてお前なんだろうなァ。
普通の娘だったら楽だった。一生藤の花の下で平和に暮らしていれば済む話だろう。
その手を血で汚す覚悟も、その必要すら生涯なかったはずだ。


なのに、なのになんで誰より生に執着するお前がそれを得ちまったんだァ……?





「なァ、A……もし元の世界(・・・・)に戻ったら家族を大切にしろよォ。この半年間出来なかった分、抱き締めてやってくれ……」
















*Aside*



ノラ鎹烏が私に命じたこと。それは怪我人の手当てだった。
……いやなんで??


『手当っ……え、手当て?!なんか凄い文献読み解くとか凄い力手に入れて戦うとかそういうのじゃなくて?!』
「戦場ニオイテノ医者ノ重要サヲシランノカ!カァァ!」
『いやそれは知ってるけど!』


でも確かに、冷静になって考えてみるとそうだ。
普段なら怪我したら藤の家紋の家か蝶屋敷に行けば済む話だけどこの空間じゃすぐには行けないもんね。

走るのにめっちゃ邪魔だったけど救急箱を持ってきたのは正解だったね。



『でも待って、それだと私、鬼にめちゃくちゃ狙われるよね?無事じゃなくない?』
「ソレハ俺ガ鬼ノイナイ場所ニ誘導スルカラ大丈夫ダ!イザトナッタラ近クノ鬼殺隊員ガオ前ヲ守ル!」
『ねぇ正気?』



この足でまとい・オブ・ザ・イヤーの私だよ???
私のせいで誰か死んじゃうとか絶対ごめんだからね?!?!


「ンン?七時ノ方向カラ鬼ガ接近中!四十秒以内ニ十一時ノ方向ヘ八室分進ムヨウニ!」
『本当に正気?!?!』



なんだこの一歩間違えたら死ぬタイプのデスゲームみたいなの!
気分はすごろくの駒だね!いや笑えねぇよ!

260話*またね→←258話*手ぇ叩いただけで烏呼べるとか



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (52 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
844人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

天弥(プロフ) - 紅鮭@さぶさん» 有難う御座います!! (2022年6月7日 23時) (レス) id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭@さぶ(プロフ) - 天弥さん» お返事遅れちゃってごめんなさい!もちろんですよ〜!!お友達申請しておきますね٩(ˊᗜˋ*)و (2022年6月7日 22時) (レス) @page6 id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
天弥(プロフ) - 今231話までを見て思ったことを言います。………主様、知り合いになって頂けませんか?((( (2022年6月6日 11時) (レス) @page6 id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» 人には塩対応されるけど鬼には愛され(笑)る系女子、それが零藤ですので!これからも霹靂一閃並のスピードで進んで行きますのでよろしくです(´∀`*) (2021年7月25日 6時) (レス) id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 数年ぶりにあった初孫…じわじわきました(笑)黒死牟さんがお祖父ちゃんなら、上弦の三と二は親戚の叔父さんとか従兄弟とかですかねぇ。展開にワクワクしてきました。続きが気になりますっ!…というか不死川さんって…… (2021年7月24日 13時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紅乱 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年6月4日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。