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258話*手ぇ叩いただけで烏呼べるとか ページ38

「まァ、あれだァ。俺はこの戦いで悪鬼を皆殺しにする。そんでもって今後弟が武器を持つことがねェようにする。そんで、お前はお前のやるべき事をしろォ」



不死川さんが手を叩けば、不死川さんのものではないらしき烏が私の肩に止まった。

なんか変な紙ついてるんだけどこれ、取っていいやつ?飛びにくくない?



「お前のやるべき事は本部に行けばわかる。案内はコイツがする。嗚呼、その紙は取るなよ、それを通して輝利哉様……違った、お館様が俺たちを見てるからなァ」
『わ、わかりました!』



じゃあここから私と不死川さんは別行動ってことか。

というかこの紙のマーク、愈史郎君のやつでは?あの子も来てるんだね。漫画でしか見たことないけど。
それにサラッと聞き流しちゃったけどお館様のご子息(多分)が当主の跡を継いだんだ。哀悼する暇はないということかな。




『不死川さん、ありがとうございました!不死川さんはこれから上弦でも探すんですか?』
「まァな、ここには一般隊士も飛ばされてるみたいだしなァ」




耳を澄ませば、確かに百を超える人間の足音が。

それなのに普通よりも強い鬼がそこら中にうじゃうじゃいるときた。これは不死川さん、休む暇もなさそうだなぁ。

私も早く不死川さんから離れてやるべき事(それが何なのかわかんないけど)をした方が良いのかもしれない。



『それじゃ、また!本っっ当にありがとうございました!』
「っ、待て!!」
『!』



初めて聞くような不死川さんの苦しそうな声に振り向けば、彼は驚いたように私の方に伸ばしかけた自分の手を見つめていた。

───まるで、何故自分が叫んだのかわからない、とでも言いたげな顔をして。




『し、不死川さん?今私のこと呼びましたよね?』
「あ……え、いや、なんでもねェ」


いや、明らかに何でもなかっただろ今のは。
けど彼は相当訝しげな目をしているであろう私を華麗にスルーし、もう一度「なんでもねェ」と呟くように言った。



『ほ、本当に……?』
「嗚呼、悪ィな」
『し、信じますよ?信じますからね?!』



不死川さんが頷くのを視認すると、今度こそ私は烏の飛ぶ方向に向けて地面を蹴った。





259話**不死川実弥は独り願う→←257話*文字数足りない



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天弥(プロフ) - 紅鮭@さぶさん» 有難う御座います!! (2022年6月7日 23時) (レス) id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭@さぶ(プロフ) - 天弥さん» お返事遅れちゃってごめんなさい!もちろんですよ〜!!お友達申請しておきますね٩(ˊᗜˋ*)و (2022年6月7日 22時) (レス) @page6 id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
天弥(プロフ) - 今231話までを見て思ったことを言います。………主様、知り合いになって頂けませんか?((( (2022年6月6日 11時) (レス) @page6 id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» 人には塩対応されるけど鬼には愛され(笑)る系女子、それが零藤ですので!これからも霹靂一閃並のスピードで進んで行きますのでよろしくです(´∀`*) (2021年7月25日 6時) (レス) id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 数年ぶりにあった初孫…じわじわきました(笑)黒死牟さんがお祖父ちゃんなら、上弦の三と二は親戚の叔父さんとか従兄弟とかですかねぇ。展開にワクワクしてきました。続きが気になりますっ!…というか不死川さんって…… (2021年7月24日 13時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅乱 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年6月4日 16時

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